マカオ競馬運営会社が10年連続の赤字に

豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、グレイハウンド犬を使ったドッグレース、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府と経営権契約を結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオにおけるカジノ以外のギャンブルについては、スポーツくじを除いて苦戦が伝えられている。

このほど、マカオの官報にマカオ競馬(マカオジョッキークラブ)を運営するマカオホースレーシング社の昨年度(2015年1〜12月期)決算が掲載された。マカオホースレーシング社の昨年度の損失は8840万パタカ(日本円換算:約11.7億円)で、マイナス幅は前年から72.7%拡大となり、2006年から10年連続の赤字となった。地元経済紙の報道によれば、10年間の累積赤字は合計39.6億パタカ(約525.0億円)に達しているという。

マカオのギャンブル監理当局にあたるDICJの統計では、昨年度のマカオ競馬の売上は前年から46%減の1.44億パタカ(約19.1億円)にとどまっている。なお、同年のマカオのカジノ売上は2308.4億パタカ(約3兆618.2億円)。

マカオ競馬場は複数の大型カジノIRが建ち並ぶコタイ地区に近いタイパ島にあり、市内複数箇所に場外馬券発売所が存在する。マカオホースレーシング社は1978年から競馬を独占経営しているが、現在は2015年に従来の契約内容を延長するかたちで更新した2年契約となっており、来年(2017年)8月末日に満期を迎えることから、今後の行方が注目されている。

マカオホースレーシング社はマカオのカジノ経営ライセンスを持つ6陣営の一角にあたるSJMホールディングスやスポーツくじ及びドッグレース運営会社などを傘下に持つ総合観光・娯楽企業グループSTDM社(本社:マカオ)グループの一員。

マカオ競馬場(資料)—本紙撮影

マカオ競馬場(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun