マカオ、ホテル業界全体の売上6.6%減…競争激化で客室単価下がる=15年

近年、マカオでは大型カジノIR(統合型リゾート)のオープンラッシュが続いており、ホテル客室供給数が増加の一途となっている。

マカオ政府統計調査局は9月19日、昨年(2015年)のホテル業調査結果を公表した。同年のマカオの宿泊施設数は前年から8軒増の107軒(ホテル74件、ゲストハウス33軒)だったが、業界全体の売上は6.6%減の260.4億パタカ(日本円換算:約3322億円)だった。

減収の主要因として、客室供給数の増加に伴い、価格競争が本格化したことを受け、売上の46.9%を占める客室使用料が10.6%減の122.1億パタカ(約1558億円)にとどまったことが挙げられる。F&B(料飲)サービス売上が2.4%減の54.9億パタカ(約700億円)、会場使用料は1.0%増の56.5億パタカ(約721億円)だった。

コストについては、1.6%増の234.4億パタカ(約2991億円)で、内訳は人件費が8.9%増の104.5億パタカ(約1333億円)、ビジネスコストが1.4%減の103.5億パタカ(約1321億円)、購買及びコミッション支出が11.6%減の26.5億パタカ(約338億円)。このほか、減価償却、利息等の営業外費用は21.9%増の88.3億パタカ(約1127億円)に上った。

なお、マカオの宿泊施設の従業員総数は14.7%増の4万5271人だった。

マカオでは今年以降も大型IRのオープンが続くことから、ますますホテル間の価格、サービス競争が激化することが予想される。

マカオは年間3000万人を上回る旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られるが、その半分が日帰り旅客となっている。昨今、滞在型リゾート都市としてのコンテンツ充実と客室単価の平準化が進んだことで、宿泊を伴う旅客が増加傾向にある。

マカオ・コタイ地区に建ち並ぶ高層ホテル群(資料)=2016年7月-本紙撮影

マカオ・コタイ地区に建ち並ぶ高層ホテル群(資料)=2016年7月-本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオでは、アフターコロナ(2023年1月初頭〜)でインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近…
  2.  マカオ政府財政局(DSF)が7月1日に公表した最新統計によれば、今年(2025年)6月前半の住宅…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  4.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  5.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun