マカオ、ホテル業界全体の売上6.6%減…競争激化で客室単価下がる=15年
- 2016/9/20 12:07
- 産業・経済
近年、マカオでは大型カジノIR(統合型リゾート)のオープンラッシュが続いており、ホテル客室供給数が増加の一途となっている。
マカオ政府統計調査局は9月19日、昨年(2015年)のホテル業調査結果を公表した。同年のマカオの宿泊施設数は前年から8軒増の107軒(ホテル74件、ゲストハウス33軒)だったが、業界全体の売上は6.6%減の260.4億パタカ(日本円換算:約3322億円)だった。
減収の主要因として、客室供給数の増加に伴い、価格競争が本格化したことを受け、売上の46.9%を占める客室使用料が10.6%減の122.1億パタカ(約1558億円)にとどまったことが挙げられる。F&B(料飲)サービス売上が2.4%減の54.9億パタカ(約700億円)、会場使用料は1.0%増の56.5億パタカ(約721億円)だった。
コストについては、1.6%増の234.4億パタカ(約2991億円)で、内訳は人件費が8.9%増の104.5億パタカ(約1333億円)、ビジネスコストが1.4%減の103.5億パタカ(約1321億円)、購買及びコミッション支出が11.6%減の26.5億パタカ(約338億円)。このほか、減価償却、利息等の営業外費用は21.9%増の88.3億パタカ(約1127億円)に上った。
なお、マカオの宿泊施設の従業員総数は14.7%増の4万5271人だった。
マカオでは今年以降も大型IRのオープンが続くことから、ますますホテル間の価格、サービス競争が激化することが予想される。
マカオは年間3000万人を上回る旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られるが、その半分が日帰り旅客となっている。昨今、滞在型リゾート都市としてのコンテンツ充実と客室単価の平準化が進んだことで、宿泊を伴う旅客が増加傾向にある。