税関検査強化が本土客購買意欲影響も市場拡大

春節(旧正月)前の歳末は新春向けの贈答品などの販売がピークに達する時期。この週末も中国本土から多くの買い物客がマカオ入りしているというが、顧客1人当たりの売上は昨年と比較して芳しくないという。その理由は中国本土側の税関検査強化が原因のようだ。

28日付「澳門日報」が報じた。昨今、中国本土側の税関では必要以上の商品の域外からの持ち込みを制限する措置を取っており、土産物などにも適用範囲を拡大しているという。税関検査での没収を避けたいとの考えから、中国本土旅客のマカオにおける購買意欲が低下しているとみられる。

今年(2013年)の入境旅客数が伸び率をベースに考えると、本来20%程度の売上増が見込まれるというが、税関検査強化の影響で個人客1人当たりの消費金額は500パタカ程度まで下がっており、前年比5~6%の伸びに留まりそうという。一方で、企業による贈答品の予約購入数は同15%ほど伸びており、この時期の売上は総じて増加を確保できる見込みだ。

なお、中国税関は新春向け贈答品として人気の高い高級乾物のうち、ツバメの巣(燕窩)の国内持ち込みを禁止したばかりだが、規制前と比較してマカオでは売上が大幅減となっている模様。乾物店ではアワビなど、その他高級食材を積極販売するよう方向転換しているという。

地元大型スーパーマーケットチェーンでは、歳末に通常の3割増となる在庫を用意。春節前後で前年比20~30%の売上増を見込む。担当者は毎年この時期に多くの本土旅客がマカオに訪れる上、今年は広珠都市間鉄道の開通効果もあると期待を込める。

春節に向けた飾り付けが街を彩る(資料)=塔石広場―本紙撮影

春節に向けた飾り付けが街を彩る(資料)=塔石広場―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは今年(2024年)五年に一度のマカオ特別行政区行政長官選挙イヤーを迎えている。マカオ行政…
  2.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)スタジオ・シティ運営会社は9月10日、中秋節に合わ…
  3.  マカオ政府体育局は9月9日、同社とスターマックエンターテインメントプロダクションが主催する3人制…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は9月9日夜、近日マカオの近隣地区の衛生当局から通知のあった3件のデン…
  5.  マカオ政府文化局(ICM)は9月9日、マカオを象徴する世界遺産として知られる聖ポール天主堂跡前で…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun