マカオの偽造カジノチップ押収量倍増、額面金額ベースで48%増…17年

マカオ保安庁長官事務所の公表データによれば、昨年(2017年)通期の偽造通貨及びゲーミング(カジノ)チップ行使罪は前年から21件増の299件に上った。

偽造通貨及びチップは金融市場とカジノにおける秩序を大きく乱すものであり、公共の信頼を損ない、人々の生活に影響を与えるだけでなく、カジノ売上に影響を及ぼし、マカオ特別行政区の税収減につながることから、警察が状況を注視し、これに関連する違法行為に対して厳重に取り締まりを行っている。

昨年通期の偽造紙幣、硬貨、貨幣及びチップの合計押収量は約4倍の2869枚、額面金額にして約75%増の1263万7697.3パタカ(日本円換算:約1億6670万円)だった。

このうち、カジノチップが前年から倍増となる245枚で、量としては全体の約1割にすぎないが、額面金額ベースでは48%増の986万パタカ(約1億2956万円)と約8割を占めた。紙幣と比較して額面金額の大きいものが存在するためだ。

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚50万香港ドル(約657万円)といったの高額チップも存在する。ちなみに、昨年押収された偽造チップの額面の内訳は、50万香港ドルが16枚、10万香港ドルが2枚、1万香港ドルが149枚、5000香港ドルが23枚、1000香港ドルが55枚だった

チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

マカオ司法警察局が押収した偽造カジノチップ(資料)=2017年7月(写真:マカオ司法警察局)

マカオ司法警察局が押収した偽造カジノチップ(資料)=2017年7月(写真:マカオ司法警察局)

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