マカオで今年12人目の輸入性デング熱感染者確認…患者は広東省江門市訪問歴ある49歳女性

マカオ政府衛生局(SSM)は10月24日午後、今年(2018年)に入って以降で12人目となる輸入性デング熱感染者を確認したと発表。

SSMによれば、患者はマカオ半島の南西部にある下環地区に居住、マカオ半島新口岸地区のの繁華街で勤務に通う女性(49)。患者は10月13日から15日にかけて単独で親族訪問のため広東省江門市に出かけており、マカオに戻った後の20日に発熱、倦怠感、食欲不振の自覚症状があったため、同日勤務先の社内クリニックを受診。その後、23日になっても症状が続いたため、私立総合病院の鏡湖醫院を受診し、デング熱検査を受けた。24日にSSM公衆衛生研究所による検査結果が明らかとなり、デング熱1型に感染していることが確認された。

現在、患者は同院に入院しているが、熱は下がり、容体は安定しているとのこと。患者は独り暮らしで、勤務先の同僚にデング熱特有の症状は見られないという。なお、患者が訪問先で一緒に滞在した姉と父親が10月初旬にデング熱に感染していたとのこと。SSMでは、患者の渡航歴、症状などを踏まえ、輸入性デング熱であると判断を下した。SSMは、速やかに患者の勤務先周辺で蚊の駆除を実施する予定。

マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境労働者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月、7月、8月、9月、10月にかけて輸入性デング熱感染が11例確認されており、患者はマレーシア(3例)、タイ(2例)、インドネシア(1例)、カンボジア(1例)、フィリピン(1例)、中国・広東省(3例)への渡航歴があった。また、6月に1例、9月に3例の域内感染例も確認されている。

SSMでは、目下、マカオはデング熱流行シーズンにあり、広東省、香港、台湾においても今年は域内性デング熱感染例が確認されているとのこと。特に、マカオとの往来が盛んな広東省の広州、中山、仏山、江門、深セン、肇慶、湛江、潮州、陽江の各市でもデング熱感染リスクが高まっており、訪問に際して注意が必要とした。デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に再度呼びかけた。目下、マカオは雨季にあたり、デング熱やジカ熱を媒介する蚊が繁殖しやすい環境となるため、域内においても注意が必要となる。

マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

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