マカオ税関、7日間で4件の密航摘発…偽造紙幣持ち込み企図も=中国本土出身の男女12人の身柄拘束

マカオ税関(澳門海關)は1月12日、同月5日から11日までの7日間に中国本土からの密航事案を4件摘発し、手引き役の蛇頭2人を含む中国本土出身の男女12人(23〜43歳)の身柄を拘束したと発表。このうち1件では、密航に使われたモーターボート内から偽造紙幣も見つかったとのこと。

密航者らはタイパ島及びマカオ半島沖の海上にモーターボートで陸地に接近したところや、沿岸部の陸地にいたところを警戒にあたっていた税関職員及び治安警察局の警察官によって発見、身柄を拘束されたもの。

いずれも市民からの通報やマカオ税関と中国の公安当局によるP2Pコラボレーションメカニズムによる逐次情報共有が機能した結果といい、税関は今後も海上及び沿岸部における警戒を強化して臨みむとした。

なお、偽造紙幣は11日深夜にタイパ島北部に上陸しようとしたところを摘発されたモーターボート内から発見されたもの。船内で見つかった額面1000香港ドル紙幣が19枚、100香港ドル紙幣が3枚、50マカオパタカ紙幣が1枚の計23枚のうち、一部で券面の番号が重複し、質が粗雑なものがあったという。この件については司法警察局に引き継ぎ、同局が詳しい調査を進めているとのこと。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

密航者が乗っていたモーターボート内から見つかった紙幣(写真:澳門海關)

密航者が乗っていたモーターボート内から見つかった紙幣(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun