マカオの大型IR「ウィンパレス」の拡張計画明らかに…ノンゲーミング要素中心

このほど、米ウィンリゾーツ社がアナリスト及び投資家向け説明会を開催し、同社傘下でマカオのカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角にあたるウィンマカオ社のマカオにおける拡張やリノベーション計画の内容が明らかになった。

ウィンマカオ社は、コタイ地区にウィンパレス(2016年開業)、マカオ半島の新口岸地区にウィンマカオ(2006年開業)という2つのカジノIR(統合型リゾート)を展開する。

資料によれば、ウィンパレスに全面ガラス張りの新施設「クリスタルパビリオン(水晶蓮宮)」と2つのホテル棟を新たに建設する計画。クリスタルパビリオンは敷地南側、新ホテル棟は敷地北と南に1棟ずつで、客室数は各約650室の計約1300室を想定。第1期にあたる敷地南側から開発が進められるといい、着工時期は2021年末、工期は36ヶ月以上とした。第1期ではホテル客室のほか、エンターテイメントシアター、アジア各地の味を楽しめる飲食施設、アートミュージアムといったノンゲーミング中心の新要素が加わる予定で、見込み投資額は約20億米ドル(日本円換算:約2158億円)。第2期の敷地北側部分の新ホテル棟については、着工時期、投資額ともに後日発表するとした。

また、ウィンマカオでも、1.25億米ドル(約135億円)を投じてアンコールタワーの客室及びスイート400室のリノベーション、施設西側にあるカジノ施設のリロケーション及びショッピングアーケードの拡大、カジノフロア内に2つのレストランの増設などを進めるとし、今年(2019年)第4四半期に竣工予定とのこと。

なお、ウィンマカオ社を含む6陣営の契約満期日は2022年6月26日となっている。今回明らかとなったウィンパレスの拡張計画は満期をまたぐかたちで、マカオ市場重視の姿勢を反映したものといえる。

ウィンパレス「クリスタルパビリオン」イメージ(「Wynn Macau Limited's Analyst and Investor Day」資料より)

ウィンパレス「クリスタルパビリオン」イメージ(「Wynn Macau Limited’s Analyst and Investor Day」資料より)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR…
  2.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、香港上場のSJMホールディングスは4月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  4.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は4月28日、今年第1四半期(2025年1〜3月)の対外商品貿易統計を…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun