マカオ経済の多元化進む…カジノ産業への過度な依存からの脱却図る施策が奏功

 マカオ経済の屋台骨となるのがゲーミング(カジノ)産業だ。近年、マカオ政府は従来の過度なゲーミング産業への依存体質を改善するため、経済の適度な多元化を図る施策を相次いで打ち出している。

 マカオ政府統計調査局は12月13日、「2018年マカオ経済適度多元発展統計指標体系分析レポート」を公表。

 マカオの総体経済におけるゲーミング産業の占有率は依然として他の産業よりも大きいものの、その割合は2018年に50.5%まで下落し、ノンゲーミング(非カジノ)産業の産業付加価値が5割近く(49.5%)を占めるようになり、経済靭性の強化に有利な状況になった。

 また、ゲーミング産業の興隆を受け、その他の主なノンゲーミング産業(建設業、ホテル業、卸売・リテール業、飲食業、運輸・倉庫・通信業、金融業、不動産・ビジネスサービス業)も近年非常に大きな発展を遂げ、一部のノンゲーミング産業の発展スピードはゲーミング産業をはるかに上回った。ほかにも、カジノ売上の内訳についても、VIPルームの占める割合が縮小傾向にある一方で、マス(平場)は拡大。ゲーミング企業における2018年のノンゲーミング要素による売上は対前年18.5%増となり、連関効果を示した。

 マカオ政府経済財政庁はレポートの中で、経済の適度な多元化の基礎が形成されたと指摘した。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun