マカオで8人目の新型コロナウイルス感染者確認

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは2月2日正午前、マカオ域内で新たに1人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。マカオにおける感染者は累計8人目で、1月27日夜以来のこと。最初の7人は武漢からの旅客。新たな感染者は、マカオ人の女性(64)で、マカオ人の感染者は今回が初めてのケースとなる。

 マカオ政府衛生局(SSM)によれば、患者は湖北省滞在歴及び新型コロナウイルス肺炎患者との接触歴はいずれもないと話しているとのこと。ただし、1月10日から17日まで帯状疱疹の治療のため広東省珠海市にある中西醫結合醫院へ入院しており、22日には広東省中山市にある市場で家禽類を購入、その後23日まで同市内に滞在していたという。目下、SSMの疾病予防管理チームが患者の病歴や患者の密接接触者にあたる人たちの追跡調査を進めているとした。

 SSMが公表した患者の確定診断に至るまでの経緯は以下の通り。患者は1月27日に発熱と咳の症状が現れたため、マカオの公立総合病院、仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の救急外来を受診。しかし、病状が好転しなかったことから、30と31日にかけて私立の総合病院、鏡湖醫院を受診し、この期間中に発熱の症状がぶり返した。2月1日に腹痛の症状で再び鏡湖醫院を訪れ、入院が決定。入院後のCT検査で肺に炎症があることが確認され、同日午後に消防局の救急車で山頂醫院の特別救急室へ搬送。山頂醫院で新型コロナウイルス検査が実施され、結果は陽性だった。

 マカオでは、1月27日から武漢市含む湖北省からの入境制限(過去14日以内に武漢市含む湖北省滞在歴のあるマカオ人以外に合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化)やマカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離(速やかに中国本土へ戻るか、マカオ残留を希望する場合は滞在許可期限あるいは旅程の終了まで集中統一管理下に置かれ、隔離施設に収容されること受け入れるかの選択)といった感染集中発生エリアと関係が深い人に対する防疫措置が講じられている。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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