マカオ、カジノに続いてバスでもマスク着用が必須に…新型コロナウイルス防疫対策の一環

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府交通事務局(DSAT)は2月3日午前、同日正午からすべてのバス乗客のマスク着用を必須にすると発表。運転手が未着用者の乗車を拒否できるとした。

 前日(2月2日)にマカオで新たに新型コロナウイルス感染確認されたマカオ人女性(64)が医療機関受診の往来で路線バスを利用していたことが判明したことなどを受けての措置とみられる。この女性が利用したバスは交通系ICカードの利用記録から判明しており、運転手5人が隔離のため自宅待機となり、車両は消毒の上で営業運転から外されている。政府衛生局が乗り合わせた可能性のある人に健康に留意するよう呼びかけている。

 目下、マカオ域内の公共路線バス、カジノ付き統合型リゾート(IR)やホテルなどのシャトルバスサービスは一部で運休や本数減を実施しているものの、概ね継続されている。

マカオでは新型コロナウイルス防疫対策の一環としてバス乗車時のマスク着用が必須に(資料)(写真:DSAT)

 マカオに大小合わせておよそ40軒あるカジノ施設でも、防疫対策を講じた上で、これまでのところ全施設で通常通りの24時間営業を継続している状況(ただし、イベント等は多くが中止)だ。

 カジノにおける具体的な防疫対策として、1月上旬からカジノ施設入口への体温測定装置の設置、同月22日からカジノフロアでの業務に従事するスタッフのマスク着用義務化、27日からはマカオ入境前14日以内に武漢市を含む湖北省滞在歴のある人のカジノ入場禁止が実施されている。

 マカオのギャンブル規制当局にあたるDICJは2月1日、カジノにおける追加の防疫措置として、同日午後11時以降すべてのカジノフロア入場客にマスクを着用させるようカジノ運営6社に要求。これに伴い、カジノ運営企業はカジノフロアにおいてマスクを着用していない客を発見した場合、退場させることができるようになった。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月3日午後0時10分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計8人で、内訳は7人が武漢からの旅客、1人が広東省珠海市の病院で入院歴のあるマカオ人。

【2月3日午後0時40分更新】
 マカオLRTについても2月3日午後1時からマスク着用が必須に。

【2月3日午後1時45分更新】
 DSATがタクシーについても乗客のマスク着用必須化を即時実施すると発表。

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