マカオ政府が韓国を新型コロナ高発生地区に指定…14日以内の韓国訪問歴あれば入境時医学検査の対象に

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府は2月20日から新たな防疫対策として、マカオ半島北部の陸路の主要な玄関口にあたる關閘イミグレーション横の体育館、マカオ国際空港に隣接するタイパフェリーターミナルの2ヶ所に「医学検査ステーション」を設け、新型コロナウイルス感染が多く確認された「高発生地区」からの入境者を対象(陸・海・空路すべて)に数時間の検査を行い、医師及び看護師による判断によって指定医療機関へ搬送して精密検査を実施するか、そのまま入境を認めるかを判断する措置を導入。

 20日から現時点まで高発生地区に指定されているのは「広東省、河南省、浙江省、湖南省、安徽省、江西省、江蘇省、重慶市、山東省、四川省、黒龍江省、北京市、上海市」の中国本土の10省3市で、マカオ入境14日以内にいずれかを訪れていた場合には、医学検査の対象となる。医学検査の所要時間は6〜8時間、検査忌避はできないルールとなっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは2月23日午後、新たに2月24日午前0時から韓国を高発生地区に指定することと発表。近日、韓国において新規感染確認が急増していること、市中感染が広がっている状況を考慮した結果とした。中国本土以外、また国単位で高発生地区に指定されるのは初めてのケースとなる。同センターでは、高発生地区リストは状況に応じて随時更新するとしている。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月23日午後5時30分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は最初の7人が武漢からの旅客、以降の3人がマカオ人。すでに6人が治癒し退院済み。直近の新規感染確認は2月4日で、19日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

 マカオ政府は1月後半以降、一連の春節イベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ・娯楽施設の一時休業といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ感染拡大の食い止めに成功しているといえる。

マカオ政府が防疫対策の一環として設置した医学検査ステーション=マカオ・工人體育館(写真:GCS)

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