マカオ、4日連続新型コロナ新規感染確認なし…累計患者数45人、新たに3人が退院し入院中は32人に

 中国・湖北省武漢市での集中発生に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染が拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは4月12日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は4月8日のことで、4日連続で新規感染確認ゼロとなった。また、同日3人が治癒し退院したことも明らかにした。これまでの退院者と同様、再発症リスクを考慮して隔離施設で14日間の経過観察する措置が講じられる。

 マカオでは1月末から2月初旬にかけて10人の感染が確認された後、3月15日まで40日連続新規感染確認ゼロを記録したが、以降は外国からの帰国ラッシュもあり、4月8日までに35人増え、感染確認者の累計45人となった。マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済み。3月中旬以降に確認された患者35人については、すべて中国以外の外国からの輸入症例となっている。その多くがマカオ到着時のイミグレーション施設における検疫、あるいはマカオ到着後の隔離下における医学観察期間中に発見されており、これまでのところ市中感染例はない。

 4月12日に退院した患者3人はいずれも軽症者だったという。内訳は、第12例(入院期間28日間)のスペインからビジネス目的で来訪のスペイン人男性(47、旅客)=医療費4万4000マカオパタカ(日本円換算:約60万円)、第15例(入院期間26日間)=フィリピン帰りのフィリピン人男性(31、就労ビザ)=医療費1万8000マカオパタカ(約25万円)、第31例(入院期間19日間)=米ニューヨーク帰りのマカオ居民男性(27)=医療費ゼロ。医療費は入院期間及び治療内容、ステイタス(旅客、就労ビザ、マカオ居民IDカード)により異なり、マカオ居民IDカード保有者については基本的に無償となる。

 目下、32人が指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院あるいはコロアン島の公共衛生臨床センターの陰圧病室で入院治療を受けており、1人が重症、その他は軽症とのこと。

4月12日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 世界的に流行が拡大する中、マカオ政府は輸入例に対する警戒を強めており、3月中旬以降、水際対策の強化が進んでいる。同月25日からは、1)マカオ居民:入境可能だが、過去14日以内に外国、香港、台湾滞在歴がある場合、政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。2)外国人:入境禁止。3)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止。4)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に香港または台湾滞在歴がある場合は入境可能だが政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。5)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国、香港、台湾の滞在歴がない場合は入境可だが高流行エリア(広東省、河南省、浙江省、重慶市、北京市、上海市)からの入境については医学検査ステーションにおいて医学検査を受けることが必須。6)過去14日以内に湖北省に滞在した非マカオ居民または中国本土籍のブルーカード保有者は入境にあたって新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須となり、「ほぼボーダー封鎖」ともいえる厳格な措置が講じられている。

 3月中旬から続いた帰国ラッシュも落ち着き、近日は新たに隔離検疫の対象となる人の数も減少。隔離検疫を受けた人の数は11日までの累計で3966人、同日時点で隔離検疫中は583人となっている。

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