マカオ、小〜高校の留年率が顕著な低下傾向示す…2021年から導入予定の新評価制度における基準値達成済み

 マカオでは小学校や中学校でも学習成績を理由に進級が認められない場合(いわゆる留年)がある。

 マカオ非高等教育委員会の今年(2020年)3回目となる全体会議が9月18日に開催され、非高等教育中長期計画(2021〜2030)、学生の評価制度、特殊教育制度、ITを活用したスマートスクールの建設などが議題に上った。

 政府教育青年局(DSEJ)スクールスーパーバイザーの區燕興氏は会議後の記者発表会の中で、マカオの非高等教育における留年率が顕著な低下傾向を示していることを紹介。2018〜19年度(スクールイヤー)における留年率は、小学校が1.6%、初中(日本の中学に相当)が6.7%、高中(高校)が3.6%で、ピーク時からそれぞれ5.7ポイント、10.0ポイント、4.4ポイントの低下したとのこと。教育当局と学校が継続して取り組んできたボトムアップ支援の成果が現れたとの見方を示した。

 マカオでは、今年7月に非高等教育における学生の評価制度を規定する法律が改正され、来年9月スタートの2021〜22年度から学校が学生に対して多元的な能力を伸ばすことを促し、形成的評価を主とする新評価制度が導入される。新制度では、小学1〜4年生については留年を認めず、小学5〜6年生は全体の4%まで、中学1〜3年生は8%までとするよう規定。ただし、出席率が規定に満たない場合は教育当局へ留年許可を申請できるほか、学生の利益と需要を考慮するとして「飛び級」についても盛り込まれている。今回の記者発表会で示された最新の留年率は、すでに新制度の基準値を達成している。

 區氏によれば、教育当局が各学校に対して新評価制度下の評価ルール案を今年11月24日までに提出するよう求めており、説明会の開催や参考書類を準備するなどして対応にあたっているという。

2020年第3回マカオ非教育委員会全体会議の様子=2020年9月18日(写真:DSEJ)

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