マカオのタクシー、車内録音・録画システムの運用開始…政府「乗客と運転士双方の権益守るもの」

 今年(2020年)12月3日午前からマカオのすべてのタクシーで「スマート端末」の運用がスタートする。

 スマート端末はGPSナビゲーションシステム、録音・録画装置、料金メーター、レシート印字用プリンター、通報装置等で構成。今年8月から順次設置が進められてきた。

 マカオ政府交通事務局(DSAT)が12月1日夜に発出した資料によれば、同日午後4時半時点でスマート端末設置済みのタクシー数は全体の約95%にあたる1714台とのこと。

 スマート端末を設置しないタクシーは12月3日午前0時以降、営業ができなくなる。スマート端末を設置せずに営業するのは違法で、政府が車両を押収するほか、即時ライセンス停止処分となり、運転士が事情を知った上で営業を継続していた場合には3万マカオパタカ(日本円換算:約40万円)の罰金が科せられるという。

スマート端末設置済みタクシーであることを示すステッカー(写真:DSAT)

 DSATでは、スマート端末はタクシーサービスの品質向上につながるもので、乗客及びドライバー双方の権益を守るものだとしている。プライバシー保護のため、録音・録画データは監察職権を有する機関が行政違法行為の調査のため、必要があるという場合に限って利用されることが法律で規定されている。

 マカオのタクシーをめぐっては、近年、一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっていた。昨年6月に罰金の大幅値上げや違反累積(5年内に4回)での免許取り消し制度の導入といった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府DSAT単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行となって以降、違反摘発件数は激減。今年1〜9月累計では対前年96.9%減だった。

スマート端末設置済みタクシーは料金メーター部のディスプレイに営業状態が表示される(写真:DSAT)

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