マカオ、14日内に中国上海市の外灘・南京路一帯に滞在歴ある入境者が隔離検疫対象に

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりとなる新型コロナ新規確認があったものの、患者はドバイ滞在歴があり、輸入性事案だった。市中感染例については約300日にわたってゼロを維持できており、封じ込めに成功している状況。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、中国本土でも概ね状況が落ち着いていることから、7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の中リスク地域を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受けることが必須で、さらに隔離検疫満了後も14日間の自己健康管理期間として個人防疫対策を講じることが求められる。最近、中国各地では散発的に市中感染例の出現が確認されており、中リスク地域の更新が相次いでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは1月23日、翌24日午前0時(マカオ時間、以下同)以降、上海市黄浦区の外灘街道轄区(東=黄浦江、南=新開河北路/人民路/淮海東路、西=西蔵南路/延安東路/福建中路/福州路/湖北路/漢口路/福建中路、北=蘇州河)及び宝山区友誼路街道轄区を新たに中リスク地域に指定した。観光名所の外灘や繁華街の南京路の歩行者天国も含まれる。ただし、自動車に乗って当該エリアを通過した場合、滞在とはみなされないとしている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 なお、地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されるが、今回の上海市のように比較的広い区域や、大連市クラスの大都市全域が対象となるような例もある。

 マカオ政府による1月24日午前0時時点の中リスク地域は下記の通り。

■河北省:石家荘市全域、廊坊市の固安県、邢台市の南宮市/隆堯県
■北京市:朝陽区酒仙橋街道大山子社区、順義区南法信鎮/高麗営鎮/勝利街道/南彩鎮/仁和鎮、北石槽鎮、趙全営鎮、大興区天宮院街道
■遼寧省:大連市全域、瀋陽市全域
■黒竜江省:綏化市、黒河市愛輝区、チチハル市昂昂溪区、ハルビン市香坊区/道里区/利民開発区/呼蘭区、大慶市竜鳳区
■吉林省:通化市、長春市公主嶺市范家屯鎮/二道区/緑園区、松原市松原経済技術開発区
■上海市:黄浦区外灘街道轄区、宝山区友誼路街道轄区

 なお、マカオ政府は外国人の入境を禁止としている。昨今の変異種の出現などを受け、中国本土、台湾、香港居民についても直近21日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止となった。

 中国本土との往来制限緩和後もマカオでは市中感染ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

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