マカオ、春節GW7日目間のインバウンド旅客数65.3%減…中国本土旅客に限ると44.9%減

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続く中、国際観光都市マカオでも厳格な各種防疫対策が維持されている。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えた。しかしながら、流行の長期化を受けて水際措置の強化が進んだことから、インバウンド旅客数は流行初期にあたる昨年(2020年)の同シーズンよりも厳しい数字になるとみられる。

 なお、マカオと中国本土における流行状況は比較的早期に落ち着いたことから、昨年7月中旬以降、両地の往来制限は段階的に緩和されている。中国本土からのインバウンド旅客も戻りつつある状況だが、コロナ前と比較して手続きが煩雑化したことや、新型コロナウイルス陰性の取得が必要なったこともあり、そのペースは緩やかなものとなっている。また、この春節ホリデーについては、拡散予防策として地元で過ごすよう呼びかけも行われているため、大幅なインバウンド旅客の増加は期待できないとされてきた。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)では、中国本土で年に複数回ある大型連休にあたるゴールデンウィーク(GW)について、治安警察局提供資料を元に前年対比のインバウンド旅客数データを公表している。今年(2021年)の春節GWは大晦日にあたる2月11日から17日までの7日間で、比較対象は昨年(2020年)1月24日から30日まで。

 MGTOが公表した2月18日更新の最新データによれば、春節GW7日目(2月17日)の総インバウンド旅客数は前年の同日から26.1%減の1万3232人、中国本土旅客に限ると22.8%増の1万1854人だったとのこと。インバウンド旅客全体に占める中国本土旅客の割合は89.6%。総インバウンド旅客数、中国本土旅客数とも4日目までは増加が続いたが、5日目以降は3日連続減少となった。昨年は春節GWの途中から新型コロナの影響が本格的に生じたことで、特に中国本土旅客が激減したこともあり、対前年のマイナス幅は初日から縮小傾向が続き、中国本土旅客に限ると6日目以降に前年を上回った。

 春節GW7日間の累計では、総インバウンド旅客数が65.3%減の9万0615人、中国本土旅客に限ると44.9%減の8万2190人、中国本土旅客の占める割合は90.7%。昨年の春節GW7日間で中国本土旅客は約9割減少しており、今年も一層減少したことになるが、6日目以降で前年を上回っており、新型コロナの影響を考慮すれば、復調ペースにあることもわかる。今後、どの程度のスピードで回復が進むかに注目が集まる。

 マカオ域内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されたのは昨年(2020年)1月22日のこと。春節の2日前というタイミングで、各種防疫対策が本格的に講じられるきっかけとなり、政府主催の春節祝賀イベントも軒並み中止に。今年についても、規模の大きな春節祝賀イベントは中止となった。

 マカオでは、輸入性及び輸入関連性事例を除き、市中における感染確認に関しては2月17日まで325日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートした。参考までに、マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線のおよそ半分にあたる約30平方キロメートル。

マカオの市街地に設置された春節デコレーション(資料)=2021年2月13日、世界遺産・セナド広場にて本紙撮影

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