香港、新型コロナ流行第4波が終息の兆し…3日連続感染経路不明の感染確認例なし

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、4月12日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から横ばいの13人とのこと。内訳は輸入性(海外からの入境者)が11人、市中感染が2人。市中感染の2人の感染経路は判明しており、いずれも近日感染確認が相次いでいる屯門地区にあるマンションの同一棟の住民。

 輸入性の11人はパキスタン、インドネシア、インド、フィリピンからの入境者とのこと。

 香港における過去14日間累計の新規感染確認は135人で、その20%を占める市中感染27人のうち感染経路不明は10人。ここまでの累計感染確認数は1万1595人、退院者数は1万1214人、死者数は207人。

 香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日午後に記者会見を開き、3日連続で感染経路不明の感染確認例がないこと、直近2週間の7日移動平均確認数が2人で感染経路不明が0.7人と非常に低い水準にあること、変異株ウイルスの市中への流入阻止に成功していることなどを挙げ、流行第4波が終息に向かっていることは明確との見方を示した。また、すでに香港は低リスク地域のひとつに数えられるだろうとし、今後は元の生活スタイルへの段階的な回復、一刀両断的な活動停止措置の回避、よりターゲットを絞った予防・管理措置の強化などを含む新たな防疫対策を講じていくとした。

 記者会見の中で、入境制限の緩和についても発表があった。低リスク地域(シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)と中リスク地域からの入境者について、新型コロナワクチンの接種を完了している場合、強制検疫(隔離検疫)期間を前者が14日から7日間に、後者が21日間から14日間にそれぞれ短縮するとのこと。新型コロナワクチンの接種を完了した香港居民については、政府が海外各国・地域の政府と協議を進めている「トラベルバブル」の参加対象になることも明らかにされた。このほか、中国・広東省から香港に戻る香港居民に対して14日間の隔離検疫を免除するスキームについて、4月末から対象エリアを広東省から中国本土の全省市に拡大。5月中旬以降、香港居民に加えて、中国本土居民についても隔離検疫免除で香港入境を認める新たなスキームを導入予定とした。

 香港における新型コロナワクチンの接種状況は、4月11日までに約57万8900人が1回目、25万5900人が2回目の接種をそれぞれ完了したとのこと。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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