中国本土、新型コロナ新規市中感染確認65人…北京市でオミクロン株市中感染出現、広東省でも連日=1/15

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認は65人(前日から39人減)だったとのこと。6日ぶりの2桁台に。内訳は天津市33人(津南区32人、西青区1人)、河南省29人(安陽市15人、許昌市7人、鄭州市7人)、北京市1人(海淀区)、広東省1人(珠海市)、陝西省1人(西安市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは91日連続。市中の無症状感染例についても7日連続出現となり、上海市3人(普陀区2人、宝山区1人)、浙江省1人(杭州市)、広東省1人(中山市)の計5人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、香港と接する深セン市で断続的に市中感染例が出現している(すべて同一の伝播チェーン上にある事案)ほか、近日ではマカオと接する珠海市と同市の北隣にある中山市でオミクロン変異株感染例の出現が相次ぐ状況。珠海市と中山市の事案は関連性があるが、発端については不明とされている。新たに出現した北京市の患者もオミクロン変異株感染で、陽性者との接触歴はなく、感染経路は不明とのこと。天津市では1月初旬に市中でオミクロン変異株の伝播が出現(発端は不明)し、累計感染確認数が300人規模に。感染確認例の増加が続く河南省の安陽市の流行のきっかけは12月末に天津市津南区滞在歴のある大学生とされ、これまでに遼寧省などでも天津市からの流入とみられる事案が確認されている。一方、昨年12月以降に累計およそ2000人規模の感染確認例が出現した西安市では沈静化に向かっている状況。

 1月15日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3461人(うち輸入性が1264人)で、重症者は13人(輸入性ゼロ)。無症状の患者753人(輸入性701人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。中国ではまもなく人の流動が活発化する春節シーズンを迎えるため、当局が拡散防止を目的とした各種防疫措置を打ち出している。

 このほか、マカオ特別行政区では1月15日まで98日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年末から直近にかけて航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン変異株の伝播チェーンが複数出現し、市中における陽性者の確認が連日続いている。昨年5月末に流行第4波が終息して以降、落ち着いた状態が続いていたが、すでに第5波が始まっているとされ、各種防疫措置が一気に引き締めとなるなど緊張が高まっている。広東省中山市及び珠海市でオミクロン変異株の市中感染確認例が相次ぎ出現したことを受け、マカオでも両市における状況の変化に応じて水際措置の調整(強化)が進むなど、流入に対する警戒が高まっている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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