中国本土、新型コロナ新規市中感染確認40人…広東省では6日連続=2/17

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月18日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月17日の中国本土における新規市中感染確認は40人(前日から5人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区22人(フフホト市21人、包頭市1人)、遼寧省9人(葫芦島市)、江蘇省4人(蘇州市)、広東省4人(深セン市3人、東莞市1人)、雲南省1人(紅河ハニ族イ族自治州)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは125日連続。市中の無症状感染例については6日連続で出現し、江蘇省12人(蘇州市10人、無錫市2人)、雲南省7人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、紅河ハニ族イ族自治州2人、文山チワン族ミャオ族自治州1人)、広東省1人(珠海市)の計20人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。近日は一旦落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は17日まで6日連続。17日に深セン市で新たに感染確認された3人は、いずれも先に出現した隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスター関連。東莞市で感染確認された患者は農産品卸売市場勤務で、感染経路は不明。珠海市の無症状感染患者は同市高新区にある水産品輸出入会社の従業員とのこと。

 2月17日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1423人(うち輸入性が740人)で、重症者は7人(うち輸入性1人)。無症状の患者706人(輸入性605人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月17日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月16日までの五輪関係者の累計陽性者数は435人(うち選手及び選手団随行メンバー183人)。2月16日単日では1月23日以来、初めてゼロとなった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月17日まで130日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。単日感染確認数は2月17日に流行開始以来の最多の6116人を記録した。2月に入って以降、深セン市では香港から到着した貨物車の運転手の感染確認例が相次いでおり(2月4日以降の累計66人)、物流面での影響も生じている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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