香港、新型コロナ新規感染確認数8798人…流行開始以来最多を2日連続更新=2/24
- 2022/2/24 18:48
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月24日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から124人増の8798人だったとのこと。2日連続で流行開始以来最多を更新した。内訳は市中が8795人、輸入性(海外からの入境者)が3人。また、オミクロン変異株疑いが4434人、デルタ変異株疑いが19人で、その他は判定待ち。加えて、前日の陽性報告数は1万7269人に上った。
公立病院における24日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は50人(男性35人、女性15人、年齢52〜97歳)で、これとは別に21日、22日分として遅れて報告された死亡者は17人とした。24日朝には自宅で昏睡状態となった9歳の男児が心肺停止状態で救急搬送され、蘇生が試みられるも死亡が確認されたケースがあり、後に検体を検査したところ新型コロナに感染していたことが判明したとのこと(ワクチンは未接種)。23日夜時点で入院中の危篤患者数は33人、重症者は49人。
また、香港大学による試算で、現時点の実効再生産数(1人の感染者が何人に感染させるか)は3.3だったとするデータを紹介した上、事態はたいへん深刻であり、蔓延が続いている状況との見方が示された。
2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めている。各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表されている。
香港の2月23日午後8時時点のワクチン接種率は87.4%(1回目の接種完了)、76.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。23日単日の接種回数は8万8507回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスが24日から本格スタートした。