香港、新型コロナ新規感染確認数8798人…流行開始以来最多を2日連続更新=2/24

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。

 香港衛生当局の発表によれば、2月24日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から124人増の8798人だったとのこと。2日連続で流行開始以来最多を更新した。内訳は市中が8795人、輸入性(海外からの入境者)が3人。また、オミクロン変異株疑いが4434人、デルタ変異株疑いが19人で、その他は判定待ち。加えて、前日の陽性報告数は1万7269人に上った。

パメラ・ユーデ・ネザーソル・イースタン病院を視察する中国本土の新型コロナ防疫・医療専門家ら=2022年2月23日(写真:news.gov.hk)

 公立病院における24日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は50人(男性35人、女性15人、年齢52〜97歳)で、これとは別に21日、22日分として遅れて報告された死亡者は17人とした。24日朝には自宅で昏睡状態となった9歳の男児が心肺停止状態で救急搬送され、蘇生が試みられるも死亡が確認されたケースがあり、後に検体を検査したところ新型コロナに感染していたことが判明したとのこと(ワクチンは未接種)。23日夜時点で入院中の危篤患者数は33人、重症者は49人。

 また、香港大学による試算で、現時点の実効再生産数(1人の感染者が何人に感染させるか)は3.3だったとするデータを紹介した上、事態はたいへん深刻であり、蔓延が続いている状況との見方が示された。

 2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めている。各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表されている。

 香港の2月23日午後8時時点のワクチン接種率は87.4%(1回目の接種完了)、76.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。23日単日の接種回数は8万8507回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスが24日から本格スタートした。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は7月26日、同局の管轄下にある特警隊が同月27日午前9時から正式にタイパ島北安…
  2.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  3.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun