中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は13省市区で82人…広東省深セン市ではステルスオミクロンが主=2/24

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月25日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月24日の中国本土における新規市中感染確認は82人(前日から3人減)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区30人(フフホト市28人、包頭市2人)、遼寧省18人(葫芦島市)、広東省8人(深セン市)、四川省5人(成都市)、雲南省5人(紅河ハニ族イ族自治州4人、臨滄市1人)、広西チワン族自治区4人(防城港市)、山西省3人(晋中市2人、太原市1人)、北京市2人(朝陽区1人、通州区1人)、江蘇省2人(蘇州市)、湖北省2人(武漢市)、天津市1人(東麗区)、黒竜江省1人(鶏西市)、山東省1人(青島市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは132日連続。市中の無症状感染例についても13日連続で出現し、雲南省9人(臨滄市7人、紅河ハニ族イ族自治州1人、徳宏タイ族チンポー族自治州1人)、広東省5人(深セン市)、四川省4人(徳陽市2人、綿陽市2人)、黒竜江省3人(黒河市)、上海市1人(閔行区)の計22人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は24日まで13日連続。深セン市では、2月中旬に隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスターが出現したほか、自主的に検査を受けた人が感染確認されるケースも相次いだ。24日の同市における新規感染例は、いずれも濃厚接触者として隔離済みまたは重点検査対象の中から発見されたが、同市の近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)で、当局が流入経路の追跡を進めているとのこと。

 このほか、近日、湖北省武漢市で化粧品企業が実施した研修をきっかけとしたオミクロン変異株のクラスターが発生し、市外から研修に参加した人によって北京市、山東省、河北省など複数の省市に拡散するに至ったケースも報告されている。

 2月24日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2254人(うち輸入性が1199人)で、重症者は18人(うち輸入性1人)。無症状の患者816人(輸入性668人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月24日まで137日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、24日は流行開始以来最多を2日連続更新する8798人に。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでおり、マカオでも市中への流入リスクが高まってきたとして市民に対してワクチン接種を済ませるよう緊急の呼びかけがなされている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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