香港の新型コロナ新規感染者数347人…3日連続500人以下、ピーク後の最少を更新=4/26

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月26日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から84人減の347人(輸入性12人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が205人、迅速抗原検査経由が142人。3日連続で500人以下となり、ピーク期以来の最少を2日ぶりに更新した。第5波開始以来の累計感染者数は119万0007人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は7人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9061人に。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となったが、これまでのところ新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持している。

 ただし、当局では、依然として単日の新規感染確認数が300人超を数え、流行第1〜4波のピーク期と比較して多いことに変わりはないと慎重な見方を示した。感染確認例の急増に伴い一時ストップしていた感染経路の追跡作業についても、高齢者施設や学校といった高リスクの場所を中心に再開しているとのこと。

 26日、小学校関連で新たに13人の陽性事案が報告され、再開以来の累計は47人に。いずれも学校以外の一般市中で感染した可能性が高く、同一の学校から複数の感染者が報告されたケースも限られることから、これまでのところ学校内における伝播や感染爆発といった状況は出現していないとの見方を示した。

 香港の4月25日午後8時時点のワクチン接種率は93.0%(1回目の接種完了)、87.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は66.3%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。25日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万2458回で、7日移動平均は2万3567回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.5%)と80歳以上(62.2%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

 このほか、26日午前の行政長官による定例記者会見において、5月にもソーシャルディスタンス措置の追加緩和を計画していることが明らかにされた。

香港政府はワクチン接種率向上策の一環として70歳以上と病気や障がいにより行動に不便がある人を対象とした訪問接種サービスを展開中=2022年4月26日(写真:news.gov.hk)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ招商投資促進局(IPIM)は9月8日、同局と国際熱帯木材機関(ITTO)の主催による「グロ…
  2.  マカオ司法警察局は9月7日、非マカオ籍の男性ギャンブラーへ賭博用途のカネを高利で貸し付けた上、返…
  3.  マカオでは、台風11号(国際名「ヤギ」)の接近による影響で、9月5日午後10時から6日午後2時ま…
  4.  マカオでは、9月5日から6日かけて超大型の台風11号(国際名「ヤギ」)が接近し、激しい風雨に見舞…
  5.  マカオ経済の屋台骨となっているのが、カジノを主としたゲーミング(ギャンブル)産業だ。マカオにはカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun