中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は4260人…上海で2日連続4千人以下、北京は累計720人超に=5/8

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月9日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月8日の中国本土における新規市中感染確認者数は401人(前日から72人増)だったとのこと。内訳は、上海市322人、北京市33人、広東省28人、河南省14人、青海省2人、浙江省1人、湖南省1人。このうち上海市の230人、北京市の5人、広東省の1人の計236人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは205日連続、9日連続で1千人以下となった。

 市中の無症状感染例は3859人(前日から206人減)。内訳は、上海市3625人、江蘇省62人、遼寧省50人、河南省46人、青海省18人、北京市16人、浙江省16人、広東省12人、江西省10人、吉林省3人、河北省1人。

 無症状を含む新規感染者数は4260人で、9日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が3947人に上り、全体の92.7%を占めた。

 5月8日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は8736人(うち輸入性が158人)で、重症者は529人(輸入性はゼロ)。無症状の患者9万2564人(輸入性474人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 今年に入って以降、オミクロン変異株の流入に伴い、中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、依然として本格的な解除時期は見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持。8日まで2日連続で4千人以下を維持した。ただし、依然として市中において無症状感染例が出現しており、8日は松江区、浦東区、徐匯区、静安区で9人、その他のケースは隔離管理下にある中からとのこと。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次ぐ。8日午後3時までの累計感染者数は727人に上り、うち299人が朝陽区で報告されたものだった。同区では、厳格な自宅勤務措置を継続するという。目下、市内の防疫対策のみならず、同市への出入りについても制限が強化されている状況。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。また、5月7日には南部の湛江市で同じ倉庫会社に勤める複数人とその濃厚接触者の感染例、8日にはマカオに近い中山市の西北に位置する古鎮鎮でも新たに1人の感染者が出現している。中山市の患者については、江西省宜春市訪問歴が確認されたとのこと。

 マカオ特別行政区では5月8日まで210日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月8日までの累計は約119.3万人(無症状含む)、死亡者数は9133人、死亡率は0.765%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では8日まで15日連続500人以下を維持。8日単日では266人(輸入性25人含む)で、ピーク期以降の最少を2日連続更新した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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