香港の新型コロナ新規感染者数266人、ピーク期以降の最少更新…日本からの輸入例も=5/8

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月8日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から12人減の266人(輸入性25人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が112人、迅速抗原検査経由が154人。2日連続で減少となり、ピーク期以降の最少を更新したほか、15日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.3万人。輸入性の出発地別では、米国(6人)とシンガポール(5人)が目立ち、その他は台湾、インド、タイ、豪州、日本、南アフリカなど。

 新規の死亡報告は2人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9133人に。死亡率は横ばいの0.765%。80歳以上に限った死亡率は10.46%とのこと。

 香港では、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施されているが、新規感染者数の目立ったリバウンドは出現していない。

 ただし、前日の会見で公表された新界・元朗地区にある火鍋店で発生したクラスター(5月1日の夕食時間帯に店内に居合わせた客の間で伝播)について、8日新たに4人の感染が判明し、感染者の累計は8人となった。

 5月7日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.4%(1回目の接種完了)、85.2%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。7日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万6600回で、7日移動平均は2万8201回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.4%)、70〜79歳(79.93%)、80歳以上(64.9%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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