香港の新型コロナ新規感染者数280人、2日連続増…火鍋店クラスターは23人に拡大、香港外にも影響=5/11

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月11日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から7人増の280人(輸入性32人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が131人、迅速抗原検査経由が149人。2日連続で上昇となったが、18日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万4740人。

 新規の死亡報告数は3人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9142人に。死亡率は0.765%。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現している。この日の輸入性の感染者32人のうち、空港での検査で陽性となったケースが16人、残る16人は隔離検疫期間中の検査で発見されたもので、3日目から6日目にかけて採取したサンプルが陽性だったとのこと。

 ほかにも、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施されているが、新規感染者数の目立ったリバウンドは出現していない。

 学校については、毎朝迅速PCR検査を実施し、陰性の場合のみ登校することができる。11日の学校からの陽性報告数は23の学校から24人で、内訳は学生15人、教職員9人。

 ただし、近日は新界・元朗地区にある火鍋店でクラスターが出現。これに関連する感染者が11日新たに3人確認され(うち1人は広東省深セン市で隔離検疫中)、累計23人となった。内訳は5月1日の夕食時間帯に店内に居合わせた客20人と、その同住者1人、また別の客の勤務先の高齢者介護施設の入所者1人、このレストランのシェフ1人。当局が同一時間帯に居合わせた約190人の客全員の追跡できたというが、3人がすでに香港を離れ、1人が深セン、2人がマレーシアにおり、現地当局に通知を行ったとのこと。なお、ソーシャルディスタンス措置の緩和以降で認知されているレストラン絡みのクラスターは本件のみ。

 5月10日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.5%(1回目の接種完了)、85.5%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。10日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万1927回で、7日移動平均は2万9032回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.64%)、70〜79歳(80.04%)、80歳以上(65.22%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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