中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は826人…甘粛省と広西チワン族自治区が主、上海の一部で全員PCR検査実施へ=7/20

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月21日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月20日の中国本土における新規市中感染確認者数は148人(前日から40人増)だったとのこと。内訳は広西チワン族自治区52人、甘粛省49人、広東省18人、四川省16人、安徽省7人、上海市3人、江西省2人、内モンゴル自治区1人。このうち広西チワン族自治区の39人、甘粛省の29人、四川省の5人、安徽省の1人、広東省の1人の計75人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは278日連続で、5日連続100人超となった。

 市中の無症状感染例は678人(前日から149人減)。内訳は甘粛省314人、広西チワン族自治区135人、安徽省77人、河南省76人、四川省28人、天津市14人、上海市14人、吉林省7人、広東省6人、江西省5人、重慶市2人。

 無症状を含む新規感染者数は826人。

 7月20日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1615人(うち輸入性が510人)で、重症者は4人(輸入性ゼロ)。無症状の患者5043人(輸入性418人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ省内の複数都市で感染者の出現が相次ぐ。20日の感染例は24人で、深圳市(22人)、広州市(1人)、珠海市(1人)からの報告例。このうちマカオの隣に位置する珠海市では7月11日からオミクロン変異株の派生型「BA.5」の流行が続いており、累計感染者数は100人超に達したが、近日は新規感染例が減少しており、ほぼ隔離・閉塞管理対象の中から発見に至るケースとなっている。

 このところ感染例が特に多くなっているのが甘粛省と広西チワン族自治区。前者は蘭州市、後者は北海市に集中。他にも安徽省などでやや規模の大きい局地的な再流行が発生している。5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、このところ連日感染例が出現している。21日に浦東新区で全員を対象としたPCR検査によるスクリーニングを実施されるとのこと。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、21日午前0時までの累計は1795人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月23日まで継続することがアナウンス済み。11日から22日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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