中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は1993人…5月下旬以来の4桁に、海南省が68%占める=8/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認者数は614人(前日から234人増)だったとのこと。内訳は海南省559人、広東省25人、浙江省11人、内モンゴル自治区4人、福建省4人、北京市2人、江西省2人、重慶市2人、チベット自治区2人、湖南省1人、陝西省1人、甘粛省1人。このうち海南省の9人、浙江省の8人、湖南省の1人、広東省の1人の計19人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは299日連続で、7日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1379人(前日から807人増)。内訳は海南省805人、新疆ウイグル自治区380人、チベット自治区66人、浙江省56人、江西省16人、新疆生産建設兵団15人、湖北省8人、内モンゴル自治区6人、甘粛省6人、広東省5人、広西チワン族自治区5人、四川省5人、河北省2人、重慶市2人、吉林省1人、河南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1993人で、8日連続増となった。4桁に達するのは5月21日以来のことで、当時は上海市で出現した大規模流行の後期にあたる。

 8月10日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3471人(うち輸入性が633人)で、重症者は7人(輸入性2人)。無症状の患者6263人(輸入性692人)が医学観察下にあるとのこと。

 省区市別で最多となったのは海南省で、全体の約68%を占める1364人。同省では8月2日以降に三亜市を中心に感染例が急増し、オミクロンBA.5.1.3の流行とされている。三亜市では6日午前6時から人の流動を抑制する目的で準ロックダウンに相当する静態管理状態に入っているが、市当局は10日夜、巡回を強化するなどして管理強化を行うことを明らかにした。

 香港・マカオに隣接する広東省では、近日落ち着いた状況が続いたが、8月5日以降は6日連続で2桁の感染例が出現。10日の感染者は30人で、大部分が湛江市から報告されたケース。同市では省外から流入したオミクロンBA.5.1.3とBA5.2派生型の2つの伝播チェーンが存在するとされる。

 浙江省での流行は省外からの流入したオミクロンBA.5.2によるものとされる。大部分が金華市(中でも同市管轄下の義烏市)からの報告例で、義烏市では11日から3日間の準ロックダウン状態に入るという。他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では4〜5千前後(輸入性含む)となっている。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。マカオと広東省珠海市との間では、3日午後6時から条件付きの隔離検疫免除による相互往来が約1ヶ月半ぶりに再開した。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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