中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は1903人、2日ぶり増…オミクロンBF.15出現の深圳市で防疫措置強化進む=8/31

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が9月1日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、8月31日の中国本土における新規市中感染確認者数は307人(前日と42人減)だったとのこと。内訳は四川省132人、チベット自治区53人、広東省40人、海南省24人、遼寧省9人、黒竜江省9人、重慶市8人、天津市5人、新疆ウイグル自治区5人、内モンゴル自治区4人、山東省4人、陝西省4人、青海省4人、北京市3人、河南省1人、湖北省1人、甘粛省1人。このうち海南省の9人、四川省の6人、新疆ウイグル自治区の5人、遼寧省の2人、チベット自治区の2人、黒竜江省の1人、重慶市の1人、陝西省の1人、青海省の1人の計28人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは320日連続で、28日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1596人(前日から270人増)。内訳はチベット自治区621人、青海省212人、黒竜江省130人、遼寧省109人、四川省89人、海南省67人、河南省59人、甘粛省56人、河北省45人、広東省34人、新疆ウイグル自治区33人、湖北省31人、天津市29人、江西省19人、山東省19人、陝西省16人、広西チワン族自治区9人、重慶市8人、江蘇省5人、内モンゴル自治区4人、浙江省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1903人で、2日ぶり増。22日連続4桁に。

 8月31日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は6298人(うち輸入性が519人)で、重症者は34人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2万3663人(輸入性757人)が医学観察下にあるとのこと。

 新規感染者数の省区市別では、依然としてチベット自治区が最多の674人。無症状が大半を占め、ラサ市とシガツェ市に集中しているのが特徴。ただし、両市当局は相次いで「社会面清零(隔離対象ではない一般市中における零コロナ状態)」の実現を宣言しており、状況は落ち着きつつあるものとみられる。

 次いで、四川省。5日連続3桁となる221人で、ほとんどが省都の成都市からの報告例。全省レベルで防疫措置の引き締めが進んでいる模様。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降は連日複数の感染例が出現。31日の新規感染者数は74人で、5日連続2桁。このうち62人が深圳市、9人が広州市から報告されたケース。深圳市では、オミクロンBF.15(BA.5の派生)感染例が確認されたことを受け、一部で準ロックダウン状態となるなど、防疫措置の強化が進んでいる。市当局は不要不急の市外への移動を避けるよう呼びかけており、9月1日からは市外への移動にあたり、48時間以内2回のPCR検査陰性証明の提示が必須となった。広州市については、8月30日から市中感染例の出現が相次いでおり、市当局はオミクロンBA.2.76によるものとの見方を示している。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では8千人(輸入性含む)程度まで増加している。主流株がオミクロンBA.5に置き換わりつつある状況で、医療体制の準備も進んでいる。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。以降は落ち着いた状態を維持している。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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