香港の新型コロナ新規感染確認者数が2日連続1万人超…第5波開始以来の累計157万人に=9/4

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月4日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から268人増の1万0490人、輸入性は11人減の193人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から257人増の1万0683人で、2日連続1万人超に。第5波開始以来の累計感染確認数は約157.0万人。

 新規死亡報告数は8人、年齢は59〜102歳。このうち6人が3回目のワクチン接種をけていなかったという。第5波開始以来の累計死亡者数は9511人。

 このところの目立ったリバウンドの出現要因として、主流株がオミクロンBA.5へ置き換わりつつあることが指摘されている。また、感染者数の増と比例して入院患者数も増加の一途にあり、8月下旬からランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、公立病院における病床調整プランも発動され、コロナ患者用の病床確保が進む。その一方で、緊急性を要しない医療サービスに影響が及んでいる。

 当局は、8月中旬から単日新規感染確認者数が急増し、2週間で倍増となったこと、香港大学の研究による最新の実効再生産数が1を上回る1.35だったことを挙げ、今後しばらくの間は増加が続くとの見通しを示した。このほか、汚水中のウイルス量観測データも3月水準にまで再上昇しているとのこと。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後に、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。

 9月3日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.5%(1回目の接種完了)、90.7%(2回目の接種完了)、72.8%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。3日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万7614回で、7日移動平均は2万8506回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(12.66%)、3〜11歳(81.09%)、70〜79歳(82.64%)、80歳以上(70.61%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

 ワクチンに関して香港政府は4日、SNSを通じてワクチン接種歴別の死亡数データを明らかにし、市民に対して3回の接種を済ませるよう呼びかけを行った。第5波下の8月31日までの累計死亡者数は9476人で、接種歴別内訳は完全未接種が6697人、1回接種が1448人、2回接種が1169人、3回接種が159人、4回接種が3人だったとのこと。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月3日、同月1日にタイパ島のマンションの一室で男女の争う声がするとの近隣住民…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内…
  4.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…
  5.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun