マカオ市中で約2ヶ月ぶりコロナ陽性者出現…当局、早期発見の輸入性事案で市中伝播リスク低いとの見方

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは10月26日午後1時すぎ(現地時間、以下同)、マカオの市中で新型コロナの陽性者1人が確認されたと発表。マカオ市中でコロナ陽性者が確認されるのは8月中旬以来となる。

 これを受けて、同センターは同日午後5時から特別記者会見を開き、本件に関する詳細を明らかにした。

 26日午前、マカオに隣接する広東省珠海市の衛生当局から、同市内のPCR検査場で検査を受けた10人分の混合サンプル1本で陽性反応があり、このうち8人がマカオ域内に滞在しているとの通報が寄せられたため、すぐにマカオ側で該当者全員に対する単独PCR検査を手配したところ、1人(66歳のマカオ居民の女性)の陽性(CT値16.6)が判明。残る7人は陰性だったという。

 検査結果判明後、すぐに患者の住居付近(マカオ半島ファイチーケイ地区の一部)を局地ロックダウンとする措置が講じられた。

 患者は妹と甥と同住しているが、これまでのところ2人のPCR検査結果は陰性という。衛生局では、患者が近日マカオと珠海市の間を頻繁に往来、マカオ域内における軌跡が比較的単純、初歩判断として発症初期とみられることや疫学的特徴に基づき輸入性事案であるとし、本件について市中伝播リスクは低いとの見方を示した。

患者の居住する集合住宅に対する消毒作業の様子=2022年10月26日(写真:マカオ政府市政署)

 マカオ市中で陽性者が出現した際には、全市民対象PCR検査によるスクリーニングなど大掛かりな防疫措置が講じられることもあったが、本件に関して現時点では予防措置の範囲で対応を進めるとし、市民に対して油断してはならない状況だが、心配しすぎることもないと呼びかけた。

 本件に関する疫学調査対象者は会見時点までに72人となっており、内訳は濃厚接触者5人、共同軌跡者(同じ時間と場所に居合わせた人)14人、二次接触者28人、一般接触者25人。

 このほか、患者の住居の近隣一帯を「PCR検査重点区域」に指定し、指定範囲内の居住者と勤務者、また10月24日24日以降に30分以上の滞在歴がある人に対し、10月26日から28日にかけて、1日1回PCR検査を受検すること、外出前に迅速抗原検査を行うことを求めている。マカオの総人口は約68万人だが、指定範囲内の人口は約2万6千人とのこと。

青く塗られた範囲がPCR検査重点区域(図版:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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