マカオ人の旅行先、日本が7割占め圧倒的人気に…現地大手旅行社「円安でお得感」

 マカオでは、きょう(7月2日)まで3日間、大規模展示会「マカオ国際ツーリズム(産業)エキスポ」が開催されている。

 会場内には、複数の現地旅行社が各種旅行商品を展示会限定特別価格で販売するなどし、多くの市民が関心を寄せている様子がうかがえた。

 マカオの現地紙「澳門日報」が7月2日付の紙面で報じた内容によれば、現地大手旅行社・東瀛遊(EGLツアーズ)マカオ地区総経理の翁月容氏は同紙の取材に対し、日本はもともとマカオ人にとって人気の旅行先だが、(年初に)コロナが明けて水際措置が大幅緩和され、対外フライトが再開した後、パッケージツアー及びフリープランともに日本行きを選択する客が明らかに増えており、全体の7割を占めると回答。その要因として、最近の円安傾向により(註:マカオの通貨であるパタカの為替レートは香港ドルを通じて米ドルと連動している)、飲食、遊び、ショッピングなど日本での消費にかかる費用がお得に感じられることを挙げたとのこと。

 また、訪日ツアーパッケージの価格は徐々に下落してはいるが、航空券や宿泊、車両手配といったコストの上昇を受け、コロナ前同時期との比較では1割ほど高い状態にあり、6〜7日間のツアーの場合で1人あたりの価格は7000〜8000パタカ(日本円換算:約12.5万〜14.3万円)、夏休みシーズンについては9000パタカ(約16.1万円)程度まで上がっているものの、マカオ市民にとっては円安の影響によるお得感の方が強いという。

 現在、マカオと日本を結ぶ直行定期便は地元のマカオ航空による東京(成田)と大阪(関西)の2路線のみだが、2018年にマカオと香港の間に港珠澳大橋が開通したことで、より日本との間のフライトの選択肢が多い香港国際空港とのアクセスが飛躍的に向上した。

「マカオ国際ツーリズム(産業)エキスポ」会場の様子(資料)=2023年7月1日、コタイエキスポホールにて本紙撮影

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