マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…一般商店に偽装、大量のヘルスケア用品と中古スマホ押収

 澳門海關(マカオ税関)は11月1日、前夜にマカオ半島北部・祐漢エリアにあるショッピングアーケードの一角に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場のある祐漢エリアは中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつにあたる。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給拠点の店舗=2023年10月31日(写真:澳門海關)

 税関によれば、事前に当該店舗が運び屋への商品供給拠点になっているとの通報を受け、職員を派遣して内偵調査を進めたところ、表面上合法的な小売店に見せるかたちで偽装営業していることがわかったとのこと。10月31日午後、運び屋とみられる2人(男女各1人)が調査対象の店舗を出た後に追跡し、2人が徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、マカオ側から中国本土側へ向けて出境した際、出境フロアにある税関検査場で呼び止め手荷物検査を実施。この際、2人の所持品の中からまとまった量のヘルスケア用品及び中古スマートフォンが発見され、いずれも税関の調べに対して物品は上述の場所でピックアップしたもので、運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたと運び屋行為への関与を認めたという。

 その後、税関がすぐに調査対象店舗に対する摘発に着手。現場にいた責任者の男の身柄を拘束するとともに、店内で輸出に必要な書類のないヘルスケア用品及び中古スマートフォン計167点、市価約15万パタカ(日本円換算:約280万円)相当を発見したとのこと。

税関が発見、押収した物品=2023年10月31日(写真:澳門海關)

 本件に絡む3人は全員マカオ人で、年齢は53〜70歳。税関では、現場の責任者の男について、運び屋を組織して高級品の密輸出活動を行ったとして対外貿易法違反で起訴、また発見に至った商品を押収済みとした。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も適宜法執行策を調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進めるとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの密輸品供給拠点の責任者の男(中央)=2023年10月31日(写真:澳門海關)

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