マカオで釣り人が”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染

 マカオ政府衛生局は11月8日、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィカス菌感染例が新たに1件報告されたと発表。

 患者は脳血管障害の病歴があるマカオ人の成人男性。11月6日午前5時頃、コロアン島の観光地として知られるコロアンヴィレッジの海辺にある十月初五馬路の堤防で魚釣りをしている途中で釣れた魚を掴む際、不意に右手親指と人差し指の間の部分に魚のヒレとの接触による刺し傷を負い、同日午後5時頃から傷口付近に腫れが出現したため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診。同院で感染症によるものと診断され、傷口の消毒処理をした後、入院治療を受ける運びに。翌日(8日)、傷口の分泌液の検査結果から、ビブリオ・バルニフィカス感染であることが明らかになったという。患者は治療を経て患部の腫れも治まり、症状は安定しているとのこと。患者は普段から同じ場所で魚釣りをする習慣があったというが、類似の症状が出たことはなかったという。

 衛生局では、ビブリオ・バルニフィカス菌は温暖地域の海水中に自然に存在する細菌で、傷口が菌を含む海水に触れたり、汚染された魚介類の摂取により感染を引き起こす可能性があるとし、皮膚に傷がある場合は海水との接触を避ける、傷口を清潔に保ち適切に保護する、魚介類を口にする際及び調理において取り扱いに注意するなどの対策のほか、皮膚の腫れ、痛み、化膿といった症状が出現した際には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけた。

 マカオにおけるビブリオ・バルニフィカス菌感染は今年に入って以降、本件で3例目。先の2件は今年9月にいずれもマカオ・コロアン島にあるビーチで遊泳中、散歩中に手や足の指が魚のヒレと接触して刺傷を負ったことにより感染したとみられるケースだった。

コロアンヴィレッジの海辺にある十月初五馬路付近の様子(資料)=本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  5.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun