マカオ警察、旅客への違法両替に絡む詐欺などに対する注意喚起プロモーション展開

 マカオ司法警察局は11月10日午後、マカオグランプリの開催を控え、多くの旅客がマカオを訪れると予想される中、このところ違法両替に絡む「練功券」と呼ばれる模擬紙幣を用いた詐欺事件などの犯罪が頻発している状況を受け、旅客に対する防犯プロモーションを展開し、リスク喚起及び合法両替の利用を促した。

 同局によれば、同局カジノ・経済犯罪担当部門の刑事8人が統合型リゾート(IR)集積エリアにあたるコタイ地区の2つのカジノ施設内外、またイミグレーション施設近くにある観光バス乗降場付近で約160人の旅客に防犯チラシの配布や両替詐欺に関する説明を行ったとのこと。

マカオ司法警察局による旅客への違法両替に絡む詐欺などに対する注意喚起プロモーションの様子=2023年11月10日(写真:マカオ司法警察局)

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 昨今マカオのカジノ施設内外においては「換銭党」と呼ばれる違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

 また、練功券は銀行員のトレーニングで使われる模擬指定で、通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降からは頻発している状況。

マカオ司法警察局による旅客への違法両替に絡む詐欺などに対する注意喚起プロモーションの様子=2023年11月10日(写真:マカオ司法警察局)

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