マカオ政府、居民への現金支給を17年連続実施…2024年の支給額は約19万円、累計約272万円に

 世界最大規模のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から居民(マカオ居民IDカード保有者)に対する現金支給を毎年実施している。

 コロナ禍で財政赤字となった2020〜2023年(会計年度)についても、新型コロナ経済支援措置として現金支給は維持された。

 マカオ居民の間では、来年(2024年)も現金支給が継続実施されるかどうかに注目が集まっていたが、マカオ政府が11月1日にマカオ立法会へ提出した2024年度財政予算案に盛り込まれたことで、17年連続の実施が確定的に。次の焦点は支給額に移っていた。

 マカオ政府は11月14日、2024年度の施政報告を公表。これまで継続的に実施してきた居民に利益をもたらす多くの施策及び減税策を維持する方針であることがわかった。

「2024年財政年度マカオ特別行政区政府施政報告」及び関連小冊子(写真:GCS)

 現金支給の支給額については、永久性居民(永久居留権)が1万パタカ(日本円換算:約19万円)、非永久性居民(臨時居留権)が6000パタカ(約11万円)としている。

 支給額について、初回にあたる2008年は5000パタカ(約9万円)だったが、以降は段階的に増額され、2019年以降は据え置きに。マカオ永久性居民の場合、2024年を含む17年間の累計支給額は14.4万パタカ(約272万円)に上る。

 現金支給のほか、永久居民には600パタカ(約1万円)分の医療クーポンを支給するほか、有資格者の個人年金積立口座に7000パタカ(約13万円)を注入する。個人年金口座への注入は財政赤字下でストップしていたため、4年ぶりの復活となる。

 さらに、高齢者については、年次の敬老金が9000パタカ(約17万円)、毎月の養老金が3740パタカ(約7万円)がそれぞれ追加で支給される。

 居民に利益をもたらす施策及び減税策の総予算は上記以外のものも含めて約287億パタカ(約5419億円)。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送された小切手のイメージ(資料)=本紙撮影

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