マカオで公設市場の買い物客が”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染…鮮魚選ぶ際にヒレでケガ

 マカオ政府衛生局は11月14日、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィカス菌感染例が新たに1件報告されたと発表。

 患者は高血圧の持病があるマカオ人の成人女性。11月11日午前10時頃、マカオ半島の西部にある公設市場「沙梨頭街市」の鮮魚売場で購入する魚を選ぶ際、誤って魚のヒレで右手小指第二関節付近に刺し傷を負い、同日午後11時頃になって傷口付近に腫れが出現したため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診。同院で感染症による腫れと診断され、傷口の消毒処理をした後、入院治療を受けることに。14日、傷口の分泌液の検査結果から、ビブリオ・バルニフィカス感染であることが確定したという。患者は治療を経て患部の腫れも治まり、症状は好転。患者は衛生局の調査に対し、類似の症状が出たのは初めてのことと説明したという。

 衛生局では、ビブリオ・バルニフィカス菌は温暖地域の海水中に自然に存在する細菌で、傷口が菌を含む海水に触れたり、汚染された魚介類の摂取により感染を引き起こす可能性があるとし、皮膚に傷がある場合は海水との接触を避ける、傷口を清潔に保ち適切に保護する、魚介類を口にする際及び調理において取り扱いに注意するなどの対策のほか、皮膚の腫れ、痛み、化膿といった症状が出現した際には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけた。

 マカオにおけるビブリオ・バルニフィカス菌感染は今年に入って以降、本件で4例目。先の3件は今年9月にマカオ・コロアン島にあるビーチで遊泳中と散歩中に手や足の指が魚のヒレと接触して負傷したことによるケースが2件、11月初頭にコロアン島・コロアンヴィレッジ付近の堤防で魚釣りをしている男性が釣れた魚を掴む際に手の一部が魚のヒレと接触して刺傷を負ったことによるケースが1件あった。

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

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