マカオ、違法両替に絡む香港ドル偽造紙幣行使未遂事件発生

 マカオ司法警察局は1月22日、両替詐欺(相当巨額)及び偽造紙幣行使未遂の罪で中国人(中国本土居民)の男を逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、同月15日に中国本土からマカオ入りした女性がコタイ地区にあるホテルの客室内で違法両替に従事する男と人民元から香港ドルへの両替取引を行った際、相手方に香港ドル紙幣を先に見せるよう求め、相手はこれに応じたが、出された紙幣を確認したところ色味に不審な点があったことから、警察に通報するに至ったとのこと。

 通報を受けた警察が現場へ急行し、相手方の男の所持品検査を行った結果、額面1000香港ドルの札束が5つ(計1005枚)を発見。いずれも光沢のある紙質、蛍光反応なし、印刷不鮮明で、肉眼で容易に偽造紙幣と判別できるものだったとした。

 男は警察の調べに対し、見知らぬ人物からマカオへ来て両替をする仕事を引き受け、成功報酬として詐取した金額の1割を受け取る約束だったなどと供述したという。

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 最近マカオでは違法両替従事者による「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を使った両替詐欺事件が多発しているが、今回のように偽造紙幣が用いられるケースは珍しく、気がかなりな事案といえる。

 かねてよりマカオのカジノ施設内外においては、違法両替従事者(換銭党)が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいるほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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