マカオ、建設中・設計段階のホテルは14軒、3956室分…2023年4Q

 近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続く。コロナ禍でやや遅延が生じたものもあったが、計画そのものに目立った変化はないようにうかがえる。

 マカオ政府土地工務局は1月20日、昨年第4四半期(2023年10〜12月)時点で建設中のホテルが7軒、設計段階(5年以上更新のないプロジェクト含まず)のものが7軒あり、供給客室数は前者が3105室分、後者が851室分に上るとする最新データを公表。昨年第3四半期と前年同時期との客室数を比較すると、建設中のホテルで1.02%減と34.67%減、設計段階で34.94%減と41.67%減に。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

 マカオ政府統計調査局の最新資料によれば、昨年12月末時点で営業中のホテル数は前年同時期から19軒増の142軒、客室供給数は23.5%増の4.66万室となっている。(※新規開業ホテルに加えてコロナ禍で隔離検疫用ホテルとなったホテルが通常営業に復帰したことが数値を押し上げた)

 昨年12月末時点で営業中の上記数値に建設中及び設計段階の数値を加えると、将来的にホテル数が156軒、客室供給数が約5.06万室で、ホテル数が約10%増、客室供給数が約9%増という規模となる。

 マカオのホテル開発をけん引するのがカジノIR運営会社だ。昨年1月に新たなカジノ運営コンセッション(10年間)がスタートしたばかりで、事業者の顔ぶれは従来と変わらず。すでに着手していた新ホテルのオープンの加え、新コンセッション下で既存ホテルの大規模改修や新設など新たな計画が出てくる可能性もありそうだ。

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IRに加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、2019年の年間インバウンド旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。2020年から2022年にかけてコロナ禍でインバウンド旅客数、平均客室稼働率とも低迷を余儀なくされたが、アフターコロナ初年となった昨年通期のインバウンド旅客数は前年から394.9%増の2821万30003人、平均ホテル客室稼働率は43.1pt上昇の81.5%となり、急回復した。

【資料】
2023年第4四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:5軒 297室
・設計段階:6軒 550室
<タイパ島>
・建設中:なし
・設計段階:1軒 301室
<コタイ地区>
・建設中:2軒 2808室
・設計段階:なし
<コロアン島>
・建設中:なし
・設計段階:なし

統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

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