マカオ、2023年の薬物乱用者の登録数が前年から4割増もコロナ前を大きく下回る

 マカオ政府社会工作局は6月25日、国連が定めた国際麻薬乱用・不正取引防止デーに合わせ、マカオにおける薬物乱用状況を発表した。

 同局によれば、「マカオ薬物乱用者中央登録システム」による昨年(2023年)の薬物吸引登録者数は前年から40%増の119人だったが、コロナ前からは65%減とのこと。過去5年間の状況と比較して低水準にあるとの見方を示した。また、登録者が使用した薬物の種類は「アイス」と呼ばれる覚せい剤が主で、大麻が上昇傾向にあるという。

 マカオ司法警察局でも、国際麻薬乱用・不正取引防止デーを含む6月22日から28日にかけて、「全市アンチドラッグ週間」と銘打ったプロモーションを展開。

 同局が公表したデータによれば、昨年同局が立件した薬物密売事案は50件で、2021年からは減少したが、2022年からは増加となっており、昨年アフターコロナで外地との往来が正常化したことによって近隣地区の密売グループが新路線開拓の動きが主要因とのこと。このほか、昨年の薬物関連犯罪の逮捕者数は前年から29%増の128人、内訳は密売が92人、吸引が30人、その他(生産及び不当器具・設備所持を含む)が6人。同局では、昨年のマカオにおける薬物関連犯罪の逮捕者のほとんどがマカオ居民ではなく、青少年が絡む事案も極めて低水準を維持しているが、マカオ経済の回復と外地との往来の利便性向上が進む中、クロスボーダー密売グループが青少年を利用してマカオでの密売を試す例もあり、マカオの青少年が薬物と接触するリスクも高まっていると指摘した。

マカオ司法警察局が市内のショッピングモールで開催している「全市アンチドラッグ週間」イベント会場の様子=2024年6月22日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は9月9日夜、近日マカオの近隣地区の衛生当局から通知のあった3件のデン…
  2.  マカオ政府文化局(ICM)は9月9日、マカオを象徴する世界遺産として知られる聖ポール天主堂跡前で…
  3.  マカオ治安警察局は9月8日夜、社会治安環境の浄化を目的に違法売春に対する取り締まりを継続実施する…
  4.  マカオ治安警察局は9月9日、同局の本部について、同月から段階的にタイパ島北安地区の新本部ビルへ移…
  5.  マカオ招商投資促進局(IPIM)は9月8日、同局と国際熱帯木材機関(ITTO)の主催による「グロ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun