中国・珠海市の「毒もやし」工場摘発

珠海市公安当局は7月30日、去る7月17日に市内各所で「毒もやし」工場の一斉摘発を行い、11の生産拠点で17人を逮捕したと発表。また、現場で大量のもやしとともに、無根剤、漂白剤などの有害添加物を押収したとのこと。これらの添加物は人体に悪影響を与えることから、中国本土でも使用禁止となっている。

7月31日付のマカオ、香港、中国本土メディアなどが一斉に報じた。摘発された毒もやし工場はマカオに隣接する広東省珠海市とその北に位置する中山市との市境近くにあり、住宅内を製造拠点としていた。それぞれの拠点で生産されたもやしは1日あたり1千〜2千キログラムで、そのほとんどが珠海市内の坦洲、三郷、前山、夏湾、新香洲エリアで販売されていたという。これらのもやしからは除草剤の一種で「無根剤」と呼ばれる「2,4-ジクロロフェノキシ酢酸」、発芽剤の一種で「AB粉」と呼ばれる「ベンジルアデニン」、漂白剤、防腐剤などの違法添加物が見つかっている。

専門家によると、今回の毒もやしに含まれる違法添加物は発がん性物質や成長ホルモン異常といった形で人体に悪影響を与える可能性が高いという。こういった添加物を使った背景には通常出荷まで12日間かかるところを5日間に短縮できること、より大きく見た目を良くするといった理由があるとみられる。

珠海市公安当局では今年6月に市内夏湾の市場で違法な添加物を使ったもやしが販売されているのを発見し、その後、内偵捜査を進めた上で、今回の一斉摘発に至ったという。

珠海市検疫局では、店頭でもやしを購入する際、根のないもの、大きく肉付きのよすぎるもの、豆の部分が開いていないものについては、無根剤や発芽剤などを使用している可能性があるので、そういった商品を購入を避けるよう呼びかけている。

なお、マカオ政府で食品行政を担当する民政総署は7月23日にコメントを出し、7月20日以降、中国本土からマカオへのもやしの輸入を一時停止したと発表済み。資料によると、マカオへ供給される中国本土産のもやしの大半が広東省中山市の同一企業が生産したもの。一時停止理由は同社の工場設備の更新に伴うものとの理由。民政総署が事前に行ったサンプル検査では特に異常は見られなかったという。

珠海市とマカオは陸路で容易に往来できることから、「水貨」と呼ばれるハンドキャリーを使った「運び屋」によって未検疫の生鮮食品が本土からマカオへ流入することもしばしばあるため、マカオでも注意が必要となる。

写真は日本のもやしのイメージ。中国のもやしは日本のものと比較して長いのが特徴

写真は日本のもやしのイメージ。中国のもやしは日本のものと比較して長いのが特徴

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