マカオ税関、未検疫肉類の不正輸入相次ぎ摘発

マカオ税関は未検疫肉類のマカオへの流入阻止を目指し、市内の巡回を強化している。税関によると、10月15日、20日に3件の不正輸入事件を摘発し、未検疫のままマカオへ不正に持ち込まれた93キロの肉類を押収するとともに、事件に関わったと見られるマカオ籍1人、中国本土籍4人の計5人に対する取り調べを行ったという。

10月15日午後3時頃、税関職員が關閘ボーダーゲート近くの住宅街で中国本土から水客と呼ばれる「運び屋」が中国本土から持ち込んだ荷物を次々に路上に並べているのを発見。現場の監視を続けたところ、約45分後に1人の男が現れ、荷物を整理して持ち帰ろうとしたという。男が持っていた荷物の中身を確認したところ、20キロの家禽類、肉類が見つかった。男はマカオのレストランに勤務しており、労働ビザを所持していた。レストランの責任者に命じられて食材を運んだと供述し、責任者も事実を認めたという。

また、20日午後1時頃、關閘ボーダーゲート前の広場で2件の未検疫肉類の持ち込みを発見。73キロの肉類を押収し、中国本土出身の男3名を税関本部へ移送して取り調べを行った。男らはいずれも80〜100パタカの報酬で中国本土からマカオへの「運び屋」の仕事を請け負っていたという。

本来、中国本土とマカオの間を往来する貨物は税関及び品目によって検疫検査を受ける必要があるが、旅客全員の手荷物を調べているわけではないこともあり、今回のような未検疫食品のマカオへの流入も起こりうる。こうした行為は対外貿易法に違反するだけではなく、食の安全を脅かす行為ともいえ、市民や観光客の間でマカオで流通する食材の品質に対する不安が広がりかねない。

未検疫食材が市内のレストランや小売店に出回り、知らず知らずのうちに口にしてしまう可能性もあることから、当局では取り締まりを強化するとともに、信頼のできる店で食事をしたり、食材の買い物をするよう市民や観光客に呼びかけている。

10月15日の事案で押収された未検疫肉類(写真:澳門海關)

10月15日の事案で押収された未検疫肉類(写真:澳門海關)

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