マカオ税関が運び屋向け密輸品供給拠点1ヶ所摘発…乾燥鮫皮約150kg発見

 澳門海關(マカオ税関)は4月22日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する監察体制を維持するとともに、関連部門との情報交流や取り締まり強化して臨む中、同日午前にマカオ半島北部に所在するビル内に開設された運び屋向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 マカオ半島北部については、中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近いことから、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発が行われている。

 税関によれば、摘発対象となったテナント内には現場責任者の女が1人がおり、中から乾燥鮫皮約150キログラム、市価およそ2万5000パタカ(日本円換算:約45万円)相当を発見・押収したとのこと。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年4月22日(写真:澳門海關)

 現場責任者の女(49)はマカオ人で、税関ではこの女が運び屋を組織して中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易方違反で起訴するとともに、市政署が当該貨物について絶滅危惧種かどうかの鑑定を進めているとした。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した一昨年(2023年)の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、冷凍肉類や活ロブスターといった食材と中古スマホやパソコン用のCPUといった電子製品が目立っており、鮫皮は珍しい。

 税関では、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう再三の呼びかけを行っており、今後も取り締まり戦略を随時調整しながら全力を挙げて運び屋行為の撲滅に努める考えを示した。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年4月22日(写真:澳門海關)

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