マカオで5日連続輸入性デング熱感染確認例出現…患者に広東省中山市渡航歴、今年27例目

 マカオ政府衛生局(SSM)は10月28日夜、同日マカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。

 デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症で、マカオでの感染確認例出現は5日連続。年初来の感染確認例は今回のケースを含めて28例となり、内訳は当地感染が1例、輸入性感染が27例。

 輸入性第27例の患者はタイパ島の北部にあるマンション「小潭山荘」居住のマカオ人男性(57)で、潜伏期間中に複数回にわたり広東省中山市とマカオの間を往来していた。10月25日に発熱や筋肉痛の症状が現れたが、この時点で医療機関を受診することはなく、27日夜に中山市からマカオへ戻った後、私立総合病院の鏡湖醫院を受診し、同院で血液検査を受検。その検査結果が28日に明らかとなり、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたとのこと。

 同局では、患者の渡航・居住歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性の感染例と判断。目下、患者の容体は安定しており、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)で入院治療を受ける手配が進められているという。なお、これまでのところ同住者に体調不良の者も出ていないとのこと。同局では、速やかに患者のマカオにおける主な活動場所周辺へ職員を派遣し、蚊の発生源の調査・除去と予防措置として蚊の駆除及び作業を実施予定とした。

 一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年の輸入性事案についても、広東省、中でも中山市滞在歴のある患者が目立ち、これに次いで東南アジア各地から戻ったケースという状況。

 マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査・駆除を強化して臨んでいる。

 年初来(10月28日夜まで)のマカオにおけるチクングニア熱感染確認例は、当地感染が8例、輸入性が34例に上っており、直近の感染確認例出現は10月27日(輸入性第34例)。

マカオ外港フェリーターミナルに掲出されている外遊先でのデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=2024年8月本紙撮影

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