マカオ入管、香港紙記者の上陸拒否=習主席訪問前「保安上の理由」

中国の習近平国家主席が返還15周年記念式典などに出席するため、12月19・20日にマカオを訪問することが正式に決まった。そんな中、香港日刊紙の記者らがマカオ入管から上陸を拒否されるケースが近日相次いでいるという。

香港の日刊大衆紙「アップルデイリー」が12月13日付の電子版で報じたところ、同紙の記者が12月12日に香港から海路マカオ入りした際、入管で制止を受け、別室で事情を聞かれたという。記者によると、取材目的などについては質問をしなかったというが、個人情報などをフォームに記入して提出し、およそ30分後に「保安上の理由」で入境拒否を告げられ、すぐに香港行きのフェリーに乗るよう指示されたという。

別室には、ほかにも複数の香港人の旅客が同様の措置で待機していたという。このうちの1人、高と名乗る男性によると、今年(2014年)11月末に香港・九龍の旺角で道路占拠に参加した際、警察官への襲撃の疑いで逮捕、起訴されたとのこと。しかし、その後も香港やマカオへ支障なく出入りできており、入境拒否を宣告されたのは今回が初めてだったという。

これまで、マカオでは中央政府トップの訪問が予定されている場合、3日前から入境審査を厳格化するのが慣例だったというが、今回の習主席の訪問にあたっては、前倒しで実行しているものとみられる。同紙では、香港で道路占拠を実施したデモ隊のマカオ上陸などを警戒しているのではないかとしている。

「アップルデイリー」は、香港のデモ隊を支援する論調を展開してきたメディアとしてしられる。

マカオ特別行政区政府本部ビル(資料)—本紙撮影

マカオ特別行政区政府本部ビル(資料)—本紙撮影

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