中国・習主席「日本以外で」評価高い=米ハーバード大の世界首脳イメージ調査

米ハーバード大学ケネディ行政大学院(ハーバード・ケネディスクール)アッシュセンターは12月17日、世界30カ国(註)の一般層を対象に実施した主要10カ国首脳のイメージ調査結果を発表した。

今回の調査対象となった主要10カ国の首脳は、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、米国のオバマ大統領、英国のキャメロン首相、フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相、日本の安倍首相、ブラジルのルセフ大統領、インドのモディ首相、南アフリカのズマ大統領。調査対象項目は、知名度、注目度、認識度、信頼度など。

マカオの有力日刊紙「澳門日報」は12月18日付紙面で、習近平国家主席の認識度が最高点となる9ポイント(10ポイントが最高)を獲得し、正確な国内及び国際事務処理能力に対する信頼度についても首位だったと報じている。9ポイントを上回ったのは習主席だけで、以下、プーチン大統領の8.7、モディ首相の8.6、ズマ大統領の7の順。総合評価でも、習主席がトップで、モディ首相、メルケル大統領、ズマ大統領が続いたとした。

アッシュセンターのトニー・サイチ教授の分析によると、習主席は「日本を除く」アジア、アフリカ、東欧の多くの国で高い評価を獲得したとしたという。その理由として、中国の急速な成長が、アジア、アフリア、ラテンアメリカ諸国といった発展途上国に強烈な印象を与えているためと指摘する。

ちなみに、中国の国内事務処理能力に対する評価は日本で極端に低く、国際事務処理への信頼度については米国でおよそ半分の評価しか得られなかった。韓国では、習主席、中国への評価が高い傾向。

各国における見方の違いの参考(調査結果から抜粋)
■中国における安倍首相(日本)の見方
・知名度:85.9%
・注目度:67.1%
・国内事務処理信頼度:14.1%
・国際事務処理信頼度:13.1%
・(国としての)成長戦略認知度:9.4%

■日本における習主席(中国)の見方
・知名度:71.9%
・注目度:59.9%
・国内事務処理信頼度:13.6%
・国際事務処理信頼度:14.3%
・(国としての)成長戦略認知度:1.8%

■韓国における安倍首相(日本)/習主席(中国)の見方
・知名度:88.8%/84.7%
・注目度:58.1%/68.1%
・国内事務処理信頼度:56.1%/91.5%
・国際事務処理信頼度:51.1%/89.6%
・(国としての)成長戦略認知度:7.7%/38.7%

(註)調査実施30カ国の内訳
・アジア(12カ国):中国、日本、韓国、インドネシア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、パキスタン、サウジアラビア、イスラエル
・ヨーロッパ(8カ国):ロシア、ウクライナ、フランス、英国、スペイン、ドイツ、イタリア、フィンランド、
・米州(4カ国):米国、カナダ、ブラジル、チリ
・アフリカ(4カ国):エジプト、ケニア、タンザニア、南アフリカ
・オーストラジア(2カ国):豪州、ニュージーランド

習近平中国国家主席(右)と握手する崔世安マカオ行政長官(左)=2014年9月23日、北京(写真:新聞局)

習近平中国国家主席(右)と握手する崔世安マカオ行政長官(左)=2014年9月23日、北京(写真:新聞局)

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