香港で「鹿児島 薩摩國」美食フェア開催…どらや3店舗で2週間…4市長が応援のため現地入り
- 2025/5/31 9:52
- 澳日関係
鹿児島県の西部に位置する4つの市(阿久根市、出水市、薩摩川内市、いちき串木野市)が組織した薩摩國広域輸出促進協議会(会長:薩摩川内市長・田中良二)は、香港を拠点に日本食品卸・小売・レストラン事業を手がけるZen Foods Co., Ltd.の協力を得て、同社が香港で運営する日本料理レストラン「定食のどらや」の3店舗(銅鑼灣店・尖沙咀店・中環店)にて、2025年5月30日から6月15日までの約2週間ににわたり、薩摩國の4市の特産品を使った特別メニューを期間限定で提供する『鹿児島 薩摩國美食フェア@香港(どらや)』を開催する。
同協議会によれば、薩摩國は海と山に囲まれた豊かな自然の風土で育まれた食文化の存在で知られ、今回のフェアのため、4市で生産された新鮮な農産物、畜産物、水産物を使用し、薩摩國の味覚を存分に堪能できるメニューの数々を用意したとのこと。
具体的には、薩摩川内市内を流れる清流・川内川の水をかけ流しに使った養殖場で育てた鰻を、業界初の加熱水蒸気300度以上でふっくら柔らかく仕上げた鰻の蒲焼、ミナミマグロの漁獲高日本一を誇るいちき串木野市で約70年にわたってマグロ一筋に取り組む新洋水産が加工した天然本鮪3種盛(刺身)、蒸気を使って蒸した後、5℃の水で冷やし込みを行うことでタケノコの鮮度とおいしさを保つこだわりの製法を親子二代で守り続ける出水市・タケマン社のタケノコの天ぷら、キビナゴ加工品生産高日本一の阿久根市・阿久根新港すぐ横の加工所で最も鮮度の良い状態で生産したキビナゴのお刺身と天ぷら、どの部位にもバランスよくサシが入っていることが特徴で、融点30℃以下の甘くとろける脂質とその脂の味にこだわった阿久根市のブランド黒毛和牛「石原牛」の霜降りローストビーフ、全国的に高い知名度を誇る地域の名産品・蕃薯を原料とした芋焼酎をベースに阿久根市産の梅の実と黒糖を使用した梅酒の7品をラインナップする。

フェア初日となる5月30日、同協議会はどらや(尖沙咀店)で現地メディア関係者およそ20人を招いてのキックオフイベントを実施。トップセールスのため香港入りしている4市の市長が応援のため会場を訪れ、それぞれプレゼンテーションを行い、各市の魅力や特産品を紹介したほか、メディア関係者にフェア提供メニューの試食機会を提供。試食の途中、4市長が各テーブルをめぐってメディア関係者と近距離で交流を図り、活発に質疑応答のやり取りやメニューのフィードバックがなされた。香港では珍しい食材も多く、反応は上々だったようだ。
同協議会では、今回のフェアを薩摩國産食材の活用例を香港・マカオの食品業界へ提案するショーケースと位置付けるとともに、日本食・日本食材への関心が高い一般消費者へその魅力をアピールする機会とし、今後の香港・マカオ市場への販路拡大による輸出促進に繋げていきたい考えという。

同協議会は、鹿児島県西部の薩摩地方に位置する自治体の広域連携によって「薩摩國ブランド」を打ち出すことで海外輸出を目指す地域の事業者の支援を目的に2020年に結成された団体で、現在は阿久根市、出水市、薩摩川内市、いちき串木野市の4つ市で構成。その活動の一環として、昨年(2024年)1月にはマカオの高級スーパー「ニューヤオハン」にて薩摩國食品フェアを開催。また、今年(2025年)1月に薩摩國へ香港からバイヤーとレストランシェフを招いての視察商談会を開催し、今回の香港レストランプロモーション実施が実現するに至ったという。
同協議会の田中良二会長はキックオフイベントの挨拶の中で、「鹿児島と香港の友好関係は古く、直行便もあり、今回のイベントを通じて、薩摩國の食の魅力を感じ、そして『薩摩國に行ってみたい』『この食材をもっと知りたい』と思っていただけるきっかけにしたい」と抱負を述べた。
