香港国際空港、新滑走路建設費の一部を利用者へ転嫁か=出国時に「空港建設税」約3千円

長年にわたって計画されてきた香港国際空港の第3滑走路建設プロジェクトについて、昨年(2014年)環境アセス報告が承認され、実現に向けたハードルは資金調達を残すのみとなった。消息筋によると、空港公団にあたる香港機場管理局は、先月中旬にも香港特別行政区政府の最高意思決定機関である行政会に対し、財務及び資金調達プログラムに関する提案を行ったという。

香港の日刊紙「アップルデイリー」が2月3日付電子版で報じた内容によると、空港公団から行政会議への提案では、第3滑走路建設費をおよそ1400億香港ドル(日本円換算:約22兆1200億円)と試算し、香港政府の債務保証による債券の発行及び香港国際空港の利用者から1人あたり150〜200香港ドル(約2300〜3000円)の「空港建設税」を徴収することで調達する計画としている。政府歳出に手を付けない方法のため、立法会審議をスムーズに通過させる目論みもあるようだ。

空港建設税については、香港国際空港からの出発便を利用する旅客を対象とし、現行の120香港ドル(約1800)の「離境(出国)税」に上乗せするとの想定。債券の発行量などの具体的な計画については3月末を目処に報告するとした。

今回明らかになった空港建設費の利用者への転嫁案については、不公平なやり方だとする意見や、負担増による内外旅客の渡航意欲への影響を懸念する声も上がっており、大きな議論を呼びそうだ。

香港国際空港はアジアを代表する国際ハブ空港のひとつで、日本の各都市との直行便も数多く就航している。

香港国際空港第2ターミナル(資料)=香港・ランタオ島—本紙撮影

香港国際空港第2ターミナル(資料)=香港・ランタオ島—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオでは、第二の旅客ソースとなる香港で4連休となる今年(2025年)のイースターホリデー(4月…
  2.  セガサミーグループのセガサミークリエイション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:亀田直…
  3.  マカオは面積約32平方キロ(東京の山手線の内側の約半分に相当)、人口約68万人という小さな地域だ…
  4.  マカオ司法警察局は4月19日、前日(18日)未明にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテ…
  5.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで4月20日、7日間にわたって開催された卓球シングル…

ピックアップ記事

  1.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun