香港とマカオ結ぶ海上橋、開通時期4年以上遅延見通し=早くて2020年、予想超える難工事理由

香港と広東省珠海市、マカオの三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」の建設工事が進められている。これまで、開通予定時期は2016年とされてきたが、海底トンネル部の難工事などを理由に4年以上の大幅な遅延が見込まれていることがわかった。

マカオの月刊英字経済誌「マカオビジネス」が3月10日付電子版で香港紙の報道を引用して伝えた内容によると、中国の国会にあたる人民代表大会出席のため北京を訪問中の広東省発展改革委員会の李春洪主任が3月9日、港珠澳大橋の開業時期について、2020年でさえ難しいと言わざるを得ないとの見方を示したとのこと。海底トンネル部分の工事が予想以上の困難に直面していることが最大の理由という。また、工事遅延に伴い、コストについても当初予算の1329億香港ドル(日本円換算:約2.1兆円)を上回るだろうとした。

港珠澳大橋は香港と珠海、マカオの間のY字型のルートおよそ50キロメートルを海上橋と海底トンネルで結ぶ大型インフラ整備プロジェクト。もともと1980年代に夢の架け橋として構想されたもので、21世紀に入って以降、広東省、香港、マカオの珠江デルタ一体化のシンボルとして実現機運が高まり、2009年に着工した。自動車専用道路で、鉄道用の設備はない。現在、香港とマカオの間を移動する際、高速フェリーで約1時間かかるが、大橋の開通後は車で約30分程度となり、大幅な所要時間短縮効果が見込まれている。

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は9月10日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する取り締まりの一環…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業ギャラクシーエンターテインメントグループ(GEG)は9月1…
  3.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業サンズチャイナリミテッドとマカオバドミントン連盟は9月10…
  4.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)運営会社は9月10日、複数回グラミー賞にノミネート…
  5.  マカオは今年(2024年)五年に一度のマカオ特別行政区行政長官選挙イヤーを迎えている。マカオ行政…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun