香港の中国ボーダー付近で賃料大幅下落見通し=本土旅客の訪問制限影響

今週頭の4月13日、中国広東省シンセン市住民の「数次入境許可証」を使った香港渡航回数について、従来の「マルチ(事実上無制限)」から「1週間に1回」に制限されることが発表になった。これを受け、香港の不動産マーケットに対する影響に注目が集まっている。

国際不動産アドバイザリー会社DTZが4月14日に発表した最新の香港不動産展望レポートによると、今回の訪問回数制限を受け、香港の中国本土ボーダーに近い商業エリアのテナント賃料が最大で15%程度下落する見通しという。マカオの日刊紙「澳門日報」が4月15日付紙面で香港中新社電(14日)を引用して報じた。

具体的には、これまで中国本土からの「水貨客」と呼ばれる転売目的の買い出し客が大挙して訪れることで知られた上水(ションソイ)、屯門(ツェンムン)、元朗(ユンロン)といった新界西北の各地区で、10〜15%の賃料下落が見込まれるとした。もともと、これらの地区では5〜10%程度の賃料値上げが予定されていたとのこと。

また、中国本土で反汚職キャンペーンが続いている中、ぜいたく品の売上に翳りが見られるなど、旅客の消費モデルも変化が顕著となっているという。そのため、一等地のテナント賃料についても、今年は1割程度の下落が見込まれるとした。

2014年に香港を訪れた旅客数は約6080万人に上り、約78%を中国本土からの旅客が占めた。九龍半島の尖沙咀からヴィクトリアハーバー、香港島のセントラルを望む(資料)—本紙撮影

2014年に香港を訪れた旅客数は約6080万人に上り、約78%を中国本土からの旅客が占めた。九龍半島の尖沙咀からヴィクトリアハーバー、香港島のセントラルを望む(資料)—本紙撮影

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