中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が3日連続2万人超…広東省で1万人突破、広州市海珠区に集中=11/17

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月18日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月17日の中国本土における新規市中感染確認者数は2276人(前日から52人減)だったとのこと。内訳は広東省1338人、重慶市193人、内モンゴル自治区112人、四川省109人、河南省108人、北京市100人、陝西省74人、山西省63人、雲南省33人、新疆ウイグル自治区27人、江蘇省21人、貴州省18人、浙江省16人、黒竜江省10人、福建省10人、山東省10人、青海省6人、甘粛省5人、上海市4人、チベット自治区4人、天津市3人、湖南省3人、河北省2人、湖北省2人、海南省2人、遼寧省1人、安徽省1人、広西チワン族自治区1人。このうち広東省の1017人、重慶市の35人、四川省の9人、北京市の8人、内モンゴル自治区の6人、浙江省の5人、黒竜江省の3人、山西省の2人、江蘇省の2人、河南省の2人、湖南省の2人、貴州省の2人、青海省の2人、福建省の1人、広西チワン族自治区の1人、雲南省の1人の計1101人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万2853人(前日から2049人増)。内訳は広東省9110人、重慶市4473人、河南省1579人、甘粛省1563人、内モンゴル自治区1287人、新疆ウイグル自治区938人、陝西省584人、青海省569人、北京市366人、山西省348人、河北省326人、黒竜江省312人、四川省280人、湖北省145人、山東省138人、雲南省135人、湖南省129人、江蘇省121人、天津市94人、吉林省72人、広西チワン族自治区55人、安徽省51人、浙江省34人、寧夏回族自治区28人、上海市25人、遼寧省23人、貴州省21人、江西省15人、福建省13人、チベット自治区12人、海南省7人。

 無症状を含む新規感染者数は2万5129人で、13日連続増。また、7日連続5桁(1万人超え)となり、3日連続で2万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた時期と同水準。

 11月17日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万8477人(うち輸入性が576人)で、重症者は61人(輸入性ゼロ)。無症状の患者15万5397人(輸入性985人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月17日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(1万0448人)で初めて5桁に達し、重慶市(4666人)、河南省(1687人)、甘粛省(1568人)、内モンゴル自治区(1399人)の4省区が4桁に上ったほか、新疆ウイグル自治区(965人)、陝西省(658人)、青海省(575人)、北京市(466人)、山西省(411人)、四川省(389人)、河北省(328人)、黒竜江省(322人)、雲南省(168人)、山東省(148人)、湖北省(147人)、江蘇省(142人)、湖南省(132人)の13省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。17日の新規感染者数は前日から626人増の1万0448人で、無症状から感染確認に転じた1017人を除く新規の純増は9431人。大半が広州市からの報告例。同市の流行はオミクロンBA.5.2によるものとされ、市内でも特に報告例が集中しているのが海珠区。同区を対象とした各種防疫措置を19日まで延長することが決まっている。市衛生当局では、臨時医療施設と隔離場所の供給を急いでいるという。依然として市内の広い範囲で厳格な防疫対策が講じられている状況は続いており、市民の生活にも影響が及んでいる。省内その他はマカオに隣接する珠海市(無症状10人)などからの報告例。

 このほか、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市では8日連続3桁となり、社会面から発見に至ったケースも45人に上ったが、前日からは31人減だった。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、マカオ市中では14日に2人、16日に1人、18日に1人の陽性者(輸入性及び輸入関連性)が相次いで出現し、このうち2人が広東省珠海市からの輸入性。さらに、珠海市での検査で発見に至った陽性者の中にマカオ訪問歴があったケースも複数出てきている。当局は感染経路が明瞭であることなどから市中伝播リスクは低いとの見方を示しているが、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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